設立初期法人の運営管理支援研修会 前期(新潟)

11月6日(金)燕三条地場産業振興センターメッセピアにて、JA新潟中央会(JAグループ新潟法人支援センター)主催の研修会が開催され、当研究所が終日講師を務めた。

この研修会は、新潟県内で設立された集落営農法人の構成員向けで、主に設立5年以内の法人が対象となった。参加者は事務局3名を含め61名。JAや行政の職員も参加した。

設立法人支援研修1

 

 

 

 

 

 

【研修内容】
Ⅰ.経営の基本
経営についての目的と目標の意味とその設定の重要性を中心に解説する。
Ⅱ.データから理解する農業情勢
行政からの統計データをもとに、農業・稲作・新潟・集落営農の現状を、演習通じて学ぶ
Ⅲ.事例から考える集落営農経営
実在の集落営農法人が直面した問題に対し、各法人がどのような対応をしたかを演習を通じ考え、解説をする。
Ⅳ.集落法人の経営目的と目標の設定
自分の所属する法人の経営目的と目標を具体的に考えてもらい、法人のキャッチコピーなどを考えてもらった。
Ⅴ.決算書と会計から現状を把握する
決算書の意味と見方の簡易な解説と、課題を解決するための必要な管理会計の演習を行う。

【受講者アンケートの結果】
・大変良かった(47%)、良かった(49%)、いまいち(4%)、悪い(0%)
○研修の感想

・講師先生の話し方、説明の仕方が非常に解り易かったです。
・法人の理事としての必要な事を教えていただきありがとうございました。
・経営の基本について理解することができた。
・自分に置き換えられて考えられて良かった。
・考える集落営農のかたちが解った気がする。
・農業経営についてモヤモヤしていた部分がある程度シンプルに解った。
・目的と目標の違いは他の業務にも役立つと思った。
・パワーポイントのコントラストがはっきりせず見えづらかった。
・法人経営者向けとJA等指導機関向けとあるといかな?
・昼休みは短くていいので、終了時間は予定通りにしてほしい。
・講師先生の話がうまくて、集中して聴くことができました。
・考える営農の発想はよかった。考える視点がよくない。
・答えは支援する側にはない。あくまで経営に携わる者の中に存在する。考えることを重点に置いた研修スタイルは大変良かったと思います。
・今まで本日みたいな切り口の研修会はなかった。良かった。
・研修会で自ら考える場を作ることは、非常に有効的であると感じました。
・演習形式で行われたこと、他人の考えに触れられ、新鮮な感じを受けた。
・管理会計の使い方についての考え方は参考になった。
・熱心に発言される受講者が何人もおられ、講師からの一方通行になりがちな「いつもの研修会」とは違う、「あとまで記憶に残る研修会」であったと思います。
・我々の組織にあてはまるものもあれば、ちょっとそうでもないものありましたが、総合的に大変勉強になりました。
・非常に面白かったです。
・統計資料も、考えるだけでこれだけ積極的に関われるんだろ言う発見でした。
・苦手な決算書も、ざっくり大枠で説明されることで頭に入ってきました。解り易かったです。
・JA職員向けの研修会の講師として是非お願いしたいと思いました。非常に有意義な研修でした。参加させてもらって良かったです。
・時間がなかったため、Ⅴの内容が早足でした。全般的には大変良かったです。
・法人化に向けて「目的」「目標」のお話が大変勇気づけられました。
・最後の決算書の部分はもう少しじっくり聞きたかったです。
・皆さんの法人ごとの問題点等話し合える時間があると良かった。
・決算書の見方に付いてある程度解るようになった。
・ケースに基づいて考える部分が多いため、刺激になって興味深く感じた。身につく内容だった。
・特に、事例から考える農業経営では、様々な取り組みがあるものと気づかされた。狭い地域内での情報だけでは、知識不足を感じた。
・データから理解する農業情勢については、これは単独で一つの研修会を開いていただけるとさらに理解も深まり、現状の捉え方についてもより解り易くなるかと思います。
・機械の減価償却年数の年数の見極め方の設定と決め方が参考になった。
・研修で頭をやわらかくしてもらいありがとうございました。
・研修時間をもう少し長くして、とばさない研修にしてほしいです。

○法人の課題
・規模が小さい。65~74歳が主力である。

・転作でソバ作っているが安い。
・個人で2~4町歩やっているひとは法人に参加しない。
・構成員の意識の差があり過ぎる。ベクトルの合わせ方に注意が必要。
・構成員が70歳以上とサラリーマンの為、稲作の労働及び労働時間の不足。
・補助金を投入して施設の整備を進めてもらってますが、自己完結して経営ができるようになるか不安な場合が多いです。
・問題意識を如何に持ってもらうか?(個人経営よりも収量や品質を気にしなくなる傾向がある。)
・水田管理を再委託する場合、委託料を下げるかどうか、どのように意思決定したらよいか?
・稲作単作で法人化した場合、どのようなタイミングで複合化・多角化を図るのか?
・会計担当の育成
・従業員雇用
・地域の農業を守るために集落営農をめざし、農地の耕作放棄地を作らない。地域の存続を目指す。
・人材不足
・収穫量には個々にかなりの差がある。法人化しても個人の努力が報われる配分方式が必要だと思う。
・中山間地営農の為、不利な農地集積が多く栽培面や機械利用の面での課題。
・不利な条件を有利なものへと転換する発想が必要。
・米価の下落に対応するために独自の販路を開拓する必要に迫られている。JAにすべてを頼る経営では先行に不安を感じている。
・格納庫をたてること。
・生産を法人に任せて農作業から遠ざかる心配。

【受講者の意見交換の一コマ】

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次回の後期は11月30日(月)に行います。内容は集落の話し合いの手法等についてです。

事務局の小見リーダー、本間様、郷様、後期もどうぞよろしくお願いします。