農業経営分析診断研修会(岩手)

2019年12月2日、表記の研修会がJA岩手県中央会主催で開催され講師を務めさせて頂きました。
会場は紫波のJAいわて中央の本店多目的ホールで開催され、参加者は、県内7JAから35名と担い手SCから6名となりました。

今回は、JA岩手グループの記帳代行等により得られたデータを基に酪農家の経営分析演習を行う事となりました。弊所としても酪農の分析は初めてでしたが、データを秩序つけてしっかり読めば他の作物と同じレベルの仮説を立てられることが解りました。

【内容】
1.支援マインド
2.農業経営分析の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の全体像

【アンケート】
1.支援マインド
(大変良かった29%、良かった68%、普通3%、悪かった0%、大変悪かった0%)
2.農業経営分析の実務
(大変良かった45%、良かった52%、普通3%、悪かった0%、大変悪かった0%)
3.経営分析演習
(大変良かった39%、良かった45%、普通13%、悪かった3%、大変悪かった0%)
4.農業経営管理支援の全体像
(大変良かった24%、良かった62%、普通14%、悪かった0%、大変悪かった0%)
5.総合評価
(大変良かった42%、良かった54%、普通4%、悪かった0%、大変悪かった0%)

 

 

 

 

【研修会の感想】
・解りやすかった。
・初めて農業経営分析の研修会に参加しましたが、受講する前は難しいものだと思っていましたが、そうでもなく、データの収集の土台さえできれば、自分でもできそうだと感じました。
・漠然としていたものがはっきりと認識できた。数字化する事だけと思っていたが、どうするべきかという事が大事。方向を示してやることが必要であることを理解できた。
・2日~3日プランで受けたかった。
・農業経営、分析だけでなく仮説を立てて農家へ解りやすいプレゼンをする大切さがわかった。
・普段の業務で関わっていない内容だったので非常に参考になった。
・グループディスカッション等考える時間が多く、良い研修だと感じた。
・経営支援について農家を主として考えることを実践したいと思いました。
・木下さんの話は小気味よく非常に聴きやすく、内容がスッと頭に入ってきた。「経営課題設定等、原則的に農家自身が主体的に決定する」自分も同じ考えです。
・決算書の見方は、データがないと分析できなかった。
・項目などを把握していないと農家と話が合わない。
・比較することで問題が解り参考になった。
・研修時間が短いように感じた。事前に配布して当日協議(グループワーク)することで改善できると思います。
・とても分かりやすくて良かったです。フィードバック編も参加してみたいです。
・経営支援のスキルに関して話を聴くことができて良かったが、時間にゆとりがあるともっと良かったと思う。
・研修会に参加して自分でわかるかなぁという不安もありましたが、農家のためになることの話をたくさん聞けて、実務に反映できるように心がけたい。
・情報をかみ砕く必要性を感じた。考えることを大切にして分析に対応していきたい。
・時間的な制限により足早な講習であった。日程等を見直し余裕ある内容構成にしてほしい。
・難しかったが、専門知識がなくとも面談はできる事が分かった。断定するのではなく、農家の方々と一緒になって考えることが大事だと感じた。
・支援目的が理解できた。
・とても分かりやすかった。もっと深く知ればより農業者の所得向上につながると思った。
・経営の主役は農家本人という事が一番大事である。
・経営分析への考え方が変わった。
・客観的に経営の診断を定期的にやろうと思った。
・農家対応の材料の1つとして勉強することができた。
・データを取り入れ分析の方法を確認できた。
・経営分析とはデータをもとに作って完成するものだと思っていましたが、そうではなく仮説を設けることが大切だと判りました。農家さんの意見や声が大事だと感じました。
・演習が難しかったですが今後にいかしていきたい。

【各JAの経営支援事業の課題】
・農家さんと話し合うことが少ない。出向くこと。
・データを見せて忙しそうだからすぐ帰ること。
・農業経営分析をする本当の意味を知っている人たちが少ないと思う。
・農家と疎遠になっていることがあると思う。悪化してから訪問している事例が多いのではないか。
・農家が経営者として自覚するように支援していくこと。
・数字だけの指導をしているのかなと思う。
・経営管理を事業として行うことに上層部の理解がない。税務申告支援としかとらえていないため、時期の限られた業務だと思っているのか、人員を割いたり次世代の担当職員を育成する意向が感じられない。農家組合員の経営改善よりも自分たちの組織維持に注力していることが問題。
・経営不振農家の主体性が弱い。
・担当者に任せっぱなしが多い。
・担当課の人員体制。
・経営管理支援事業のありかたを農家、JAへ共有する事。
・必要とされている事業と思っているが、農家との信頼関係と経験お蓄積が急務と考える。
・経験者、知識を持った人材が少ない。
・今後の支援のやり方を考えていきたい。
・システムの構築。
・営農課に必要な基本的研修が少ないため、他部署からの異動だとつらい。

 

岩手で仕事をするのは2年ぶりでしたが、記帳代行の件数が増えているため良いデータをつかって演習をすることができたと思います。
今後はこれらのデータを使ってどんどん農家にフィードバックをしていくことが期待されます。

最後になりましたが、事務局を務めて頂いた、高橋センター長以下担い手サポートセンターの皆様、そして高橋茂樹次長、大変お世話になりました。
今後もどうぞよろしくお願いします。