農家経営分析診断・ コンサル担当者研修会‐前期‐(長崎)
2019年7月10日~12日まで、今年もJA長崎中央会・長崎県農林部共催の表記の研修が開催され、講師を務めさせて頂きました。
参加者は、県内6JAから14名、県振興局7名、大分のJAから3名、熊本のJAから1名の合計25名となりました。
【内容】
1.支援マインド
2.農業経営支援の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の全体像
5.事業と生活の計画
6.経営分析のフィードバック
7.法人決算書の読み方
3日間という研修でしたが、皆さん良くついてきていただきました。
【アンケート結果】
1.支援マインド
(大変良い54%、良い42%、普通0%、悪い4%、大変悪い0%)
2.農業経営支援の実務
(大変良い58%、良い35%、普通8%、悪い0%、大変悪い0%)
3.経営分析演習
(大変良い69%、良い23%、普通8%、悪い0%、大変悪い0%)
4.農業経営管理支援の全体像
(大変良い50%、良い42%、普通8%、悪い0%、大変悪い0%)
5.事業と生活の計画
(大変良い50%、良い38%、普通0%、悪い4%、大変悪い0%)
6.経営分析のフィードバック
(大変良い65%、良い31%、普通0%、悪い4%、大変悪い0%)
7.法人決算書の読み方
(大変良い67%、良い25%、普通8%、悪い0%、大変悪い0%)
8.総合評価
(大変良い64%、良い32%、普通5%、悪い0%、大変悪い0%)
【研修会の感想】
・法人決算も学べるとは思っていなかったので、良かった。
・今まで、現場での経験で行っていたので、今回の研修を受け、理論的に行う方法を学習でき良かった。また、今まで、できていた所もあれば、だめな所もわかり良かった。
・座学で一方的な説明ではなく、経営分析演習など自分で考える学習は、自分にとっては斬新で良かった。
・あくまでも、農家自らが考えていくことが基本ということを改めて分かり良かった。
・具体的にフィードバックのロールプレイングがあったため、他の人の対応も見ることができ良かった。
・普段の業務とは直接関連していないが、別の視点から考える機会になって良かった。
・行政とJAグループの連携が取れていて、研修内容のレベルが高い。コーヒーやお菓子が用意されていて良かった。
・ディスカッションで他の人の視点での意見が聞けたこと、自分にない視点を気づかされて良かった。講義の構成も良かった。区切りのいいところで休憩だったため集中してできた。
・指導員として農家への対応(発言・意見)の仕方を考え、見直せる内容で良かった。
・支援を行う心構えをまず教えてもらって良かった。農家自らがどう考えるのかということが大事だと理解できた。また、見方が分からないで困っていたが、法人決算書の読み方がすっきり分かって良かった。本を見ても翌理解できなかったことが1回で納得できた。研修を受講して仕事のスキルアップになったが、自分のライフプラン、家計を見直す機会にもなった。
・農家の経営体を考えるということで勉強になった。
・フィードバックを今後活用していきたい。
・研修にありがちな座学でなく、グループ討議を用いた内容が多かったので、研修時間中に自分なりの考えや他の受講生の考えも確認することができ、より理解が深まると感じた。
・他の経営と比較する勉強が非常に参考になった。
・農家の経営を良くするにあたって、目標と目的を明確にしてあげることが大事というのが印象に残った。数字上の経営の見方としても、所得を念頭に分析を行っていくというのが良く分かった。
・座学のみの講義と思っていたが、農家と対面した時に使える実務的なロールプレイングが印象的だった。もっとこれ以上の人数のJA職員が受講し農家を支援していく気持ちを共有したいと思った。
・今まで経営について苦手意識があったが、今回の研修では分かりやすく、損益計算書、貸借対照表の見方も分かったので今後は積極的に見ていきたいと思う。
・経営分析について、もっと深く学びたかった。農事組合法人の話がとても参考になった。
・経営分析には触ったことがなく、かなり受講にあたって構えていたが、そこまで構えてやるものでもなく、指導するというよりも支えるものだという雰囲気と内容で受講しやすかった。
・経営分析業務において農家から意見を出させることが重要であると分かり、考え方を変える必要があると感じた。
・営農指導員の資格を取得するにあたっての必須研修ということで受講したが、普段は経済業務を少人数で行っていることもあり、なかなか研修等に参加することがないので非常に刺激を受けた。
・経営分析については、まったく知らなかったので分析の仕方が分かった。農家とのコミュニケーションや信頼関係が大事だと思った。
・コンサル担当者研修を通して感じたことは自分が普段行っている実務の中で農家の経営を重視してないと痛感した。最後の話の中で、自分に当てはめてみるとその通りだと感じた。
・今後、実務としていちご農家の経営分析に入るので、その基本的な考え、進め方が理解でき大変参考になった。実践で場数を踏みながら、農家経営の手助けを行っていきたい。
・JA、振興局の立場になった手法や進め方等、非常に参考になる講義が多かった。即、実践に使用できる内容であった。
【経営支援事業の課題】
・市、振興局、JAの連携。
・当JAは経営分析という面では、販売データを用いた経営支援は営農指導員が実際に実施しているが、青申会(決算)データを用いた経営支援は行っていないのでそこをまずどのように対応していくかが当面の課題だと思う。
・現場担当者のスキルアップ。
・当JAでは、講義の活動が全然行われていないが、営農指導の自分からでも積極的に動いていかなければとならないと思う。
・普通の業務に手いっぱいで、農家を育てていくという気持ちはあまりないのかもしれない?農家が豊かになるとJAも恩恵を受けるが、やはり経営状況が良い農家は良くJAを利用してくれている。
・生産者の数が多いので、分析する生産者をどこまで絞るかなどが課題。
・青色申告会記帳代行のシステムはあるが、各支店、各センターによって共有されておらず、また、まだまだ人数も少ない状況。経営分析を行おうにも決算書データ不足などで先へ進むビジョンが明確でないのが課題だと思う。
・記帳代行を行っていない農家も多く、分析診断対象者が限られている。
・担当になったばかりで分からない点が多いが、人員不足(仕事量に対して)を感じている。
・経営は経営担当の仕事と思っている職員がいる。経営は普及指導員全員がしっかり勉強することが必用。
・集落営農法人に対する経営改善提案の具体的な内容の検討。
・事業間連携になるJA内での他部署との情報共有。ソリマチソフトの普及。
・当JAではあまり行っていないように思えた。
・JA内の担当者、横のつながりを大切にすること。
・いちご、アスパラで進めるということで、野菜担当の負担が大きい。ただ、良い機会ととらえてみるといいことかもしれないので、今日学んだツールは、経営支援外でも役立つと思うので他のプロパーでも受講するべきだと思う。
・部署間の情報交換がない。
・農家と話すうえでの事前準備が必用。能力(経験を含め)の濃淡があるため、農家と対等に話ができない。(農家の方が良く知っていることが多い)
・他部門間での情報の交換、共有。
受講者のアンケート結果が悪くなく安堵しています。
今回も事務局を務めて頂いた、中央会の宮崎次長、松浦様、福田様、大変お世話になりました。
後期もどうぞよろしくお願いします。
”常連受講者”のS田さんから差し入れと、激励のお手紙を頂きました。
どうも有難うございます。おかげで今年も乗り切れました。今年はおいでになられず少々寂しかったですが、またお目にかかれることを楽しみにしています。