農業経営分析診断研修会(宮城)

2019年7月17日(水)10:00~16:30、表記の研修会が宮城のJAビルで開催され、1日講師を務めさせて頂きました。
参加者は県内7JA18名となりました。
当所として宮城で初めての研修ですが、グループ演習などをみると、受講者であるJA職員の基礎能力は非常に高いと思われました。
これから、データ整備等支援の土台作りを行えば、充分成果を出していく力があると思います。

【研修内容】
1.支援マインド
2.農業経営分析の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の全体像

【受講者アンケート】
1.経営支援の心構え(支援マインド)
(大変良かった75%、良かった25%、普通0%、悪かった0%、大変悪かった0%)
2.経営分析の手法
(大変良かった75%、良かった25%、普通0%、悪かった0%、大変悪かった0%)
3.実データを使った経営分析演習
(大変良かった69%、良かった25%、普通6%、悪かった0%、大変悪かった0%)
4.経営支援業務の全体像
(大変良かった60%、良かった27%、普通13%、悪かった0%、大変悪かった0%)
5.総 合 評 価
(大変良かった80%、良かった13%、普通7%、悪かった0%、大変悪かった0%)

 

 

 

 

【研修会の感想】
・支援マインドの話で共感できた。
・今まで、経営分析について先輩のみようみまねでやっていましたが、手法について学べてとても参考になりました。ありがとうございました。
・フィードバック編も聞いてみたいので、中央会で呼んでください(要望)。
・経営分析についてよく理解できた。
・システムの経営分析シートの効率のよい使い方(利用者への説明の仕方)も教えてほしい。
・内容は充実しているので時間に余裕をもってしていただきたい。
・経営支援業務での支援マインド 農家を尊重する気持ちが大切だと感じた。
・解りやすかったので良かった。
・経営指標の話よりも実際的で面白く研修した。
・実践的で難しく感じましたが、楽しかったです。分析するときの視点を教えていただいたので、これから自分の担当する人を分析してみたいと思います。ありがとうございました。
・内容はいいですがもう少し時間に余裕がほしいです。
・経営管理業務を主に行う部署なので大変勉強になりました。経営にかかるデータの読み取りなどこれからの経営管理業務に役立てたいと思います。
・説得力が非常に高く、現場の実態をよく捉えた講義内容でした。肩肘張らずに経営分析業務に携わっていいんだということが分かったのが一番の収穫です。
・専門知識が必ずしも必要ではない点をうまく活用した、いい研修だと思います。
・組合員と接するのが苦手な職員(新採用職員も)に、木下先生の研修は有効かと思います。
・2年ほど前に、東京のJAビルで木下先生の研修を受けていて、分かりやすく、今回もとても参考になりました。ぜひうちのJAにも来ていただきたいです。
・ここまで具体的に経営分析をしたことがなかったので、勉強になった。
・難しい手法や計算方法ではなく、具体的な考え方や意識するポイントだったので、日常に活かしやすく、活用できると思う。取り組んでいきたい。
・営農部署の職員が、みんなこれを意識して仕事すれば、かなり成果が変わってくると思う。
・数学の問題を公式を使わずに解いている気分でした。頭を使いましたが、とても勉強になりました。今後の指導において活かしたいと思います。
・指標ではなく、文章で分析していく方が簡単に見えたが、実は率等に示さない方が自分の思考力が必要。答えを“出させる”事を大切にして支援していきたい。
・大変参考になりました。

【経営管理支援事業のJAの課題】
・これまでの考え方を変えること
・担当職員レベルの差(入力処理で手一杯の人と分析までできる人がいる)。他業務があるなかで、分析のカバーができるかというとできない。
・人事異動に伴う引き継ぎの難しさ。(農家それぞれの経営特徴、申告書作成時のポイントの引き継ぎができていない。)
・分析をしていくにあたり、販売高を品目別で見ていきたいが、品目別に連動・入力できない取引が多い(イオン、直販)。
・経費をJAカードで支払った時も、明細をもとに費用のひろいあげをしていて効率が悪い。
・人員の増加
・研修等への参加
・上司(経営層)の記帳代行への理解
・担当者が少ないため入力だけで精一杯になっている。
・なかなか業務が多く、管理支援事業の増加に踏み切れない。
・作業スタッフのスキルアップ
・業務としての位置付けにより重要度の判断が人それぞれになりがちであること。
・対象農家の絞り込みと本事業の費用対効果を考えた場合の事業ウェイトをどの程度傾けるか。
・兼務が多く、時間がさけない。
・経営管理支援を利用している農家がまだ少ない。もっと当JAでも取り組みたい。
・人手不足、作業の効率化、マニュアル化
・記帳代行から先のステップに進めない。
・税務支援等と同じように、経営支援という分野は皆が避けて通る分野なので、今回のような話をつきつめてできる職員がほぼいない。そういう意味で会場での議論は楽しかったです(皆話が合うので)。

 

 

宮城での初めての研修でしたが、受講者の方々からも一定の満足を頂け安堵しています。
これを機会に、様々な形で今後もご支援させていただければ幸いです。
 
最後になりましたが、JA宮城中央会の工藤部長、千葉次長、菅原様、そして最初から事務局を務めて頂いた渡邊様、大変お世話になりました。