農家経営分析診断コンサル担当者研修会 後期(長崎)

2018年8月22日~24日の3日間、表記の研修会が長崎のJA会館で開催され講師を務めさせて頂きました。
主催はJA長崎県中央会と長崎県農林部で、受講者は県内JA26名、県・関係団体10名、近隣県JA5名の41名となりました。

 【研修内容】
1.前期のおさらい
2.肥育農家の経営分析
3.集団分析
4.支援マインド
5.個別経営支援(経営コンサル)
6.コミュニケーションスキル

【アンケート】
1.前期のおさらい
(大変良かった19%、よかった57%、普通22%、いまいち3%、悪かった0%)
2.肥育農家の経営分析
(大変良かった35%、よかった51%、普通11%、いまいち3%、悪かった0%)
3.集団分析
(大変良かった46%、よかった54%、普通0%、いまいち0%、悪かった0%)
4.支援マインド
(大変良かった47%、よかった50%、普通3%、いまいち0%、悪かった0%)
5.個別経営支援(経営コンサル)
(大変良かった51%、よかった43%、普通5%、いまいち0%、悪かった0%)
6.コミュニケーションスキル
(大変良かった64%、よかった27%、普通9%、いまいち0%、悪かった0%)
7.総合評価
(大変良かった56%、よかった44%、普通0%、いまいち0%、悪かった0%)

【研修内容について】
・研修内容は非常に勉強になった。時間が短かったように思えた。
・内容はテキストに詳しく書いてあり分かりやすかった。前期の内容を通して、後期にうまく組み込まれていたように思えた。グループワークは、リーダーがすぐに選ばれた場合はやりやすかったが、シャイな方が多いとしばらく沈黙があるので、リーダーを順番で回すようなルールを先に作っていただければやりやすい気がした。受講生のノリが悪い気がしたので、楽しく学べるように受講生にもっと話をふってもいい気がした。
・実際に農家の経営診断を実行する上での具体的な進め方が感情までを含んだ研修で、農家の破綻を防ぎたい、所得を上げたい、効率的なサポートを進めたいと思う講師をはじめ中央会、行政、長崎の熱い情熱を感じた。何もかもが身にしみる研修で刺激になった。
・実データでの研修を受け、リアルで現場ですぐに活かせる内容は良かった。チーム内での検討はみんな積極的で活力があった。長崎での営農指導員、県振興局との研修は良いと思う。長崎県の営農指導員の方の農家経営分析診断のレベルは高いと思う。
・今回初めて研修をさせていただいて、総合的に農家の人達との対談をこれからしていく中で、どういったことに注意しながらやっていけばいいのかということを多少ではあるが理解でき、本研修に参加させてもらい良い体験ができた。しかし、分からない言葉ばかりで皆さんについていけなかったので、集団グループでの発言が少なかったと思う。もっといろんなことを学び、次の研修の時にはしっかりと発言ができるように努力していきたい。
・実例をもとに経営分析ができたので、リアルティがあった。
・コミュニケーションスキルでは普段からあるはずなのに、意識できていなかったので「なるほど」と改めて思うことができた。スキルなので多く使いなれるように努めたい。
・今回の研修では、畜産関係の分析となったが、聞きなれない単語があったため、説明をしていただけたらと思った。
・演習のやり取り、いろんな意見が出たうえでの討議・発表など苦手な分野であったが、研修に来てよかったと思った。これをすぐに実践とまではいかないだろうが、組合員さんとの会話の大事さ、コミュニケーションが大切と考えさせられた。現状のJAの中でも難しい課題かと思う。この研修はJA職員全員にも学びさせたい。
・具体的事例で支援チームみたいに話をすることができて良かったと思う。
・コーチングスキルをもっと磨きたいと感じたので、日々の業務の中で実践していきたい。
・実例をもとに集団演習を行ったため、リアリティがあり、やりやすかった。正解はないが間違いもないので考えも発言しやすい。対話することが一番大事であると感じた。
・記帳代行や販売実績で個別に分析、経営改善につなぐことができる場は非常に限定されていると感じた。自分自身が経営指導の経験がないことが原因と思うが、JAは日々の営農指導で忙しく、記帳代行もごく一部の品目・地域に限られているため、実際の経営指導は県が試算した基準を用いざるを得ず、個別農家の実情に合わないように思う。また、販売データもただ返すだけに留まっているように感じ、どの点から打開すべきか悩ましい状況。だから今回の研修は分析ができる環境が「うらやましい」という感想がどうしても強くなった。コミュニケーションスキルは、自分の失敗例とつきあわせつつ、見直し分析手法の現状にあった組み立てを併用し活用していきたい。
・「どこ」と明確に指摘できないのですが、②、③、④、⑤のどの研修においてもグループ内で話しが進めやすかったと感じた。テキストの構成や順序、言い回しなど講師の工夫によるものでしょうか。
・具体的事例を基にした、グループワークを行うことで、様々な意見交換ができて良かった。新たな視点に気づけた。
・数字だけでなくマインド、直感、コミュニケーションスキルなど現場で活かせる分野が多くよい勉強になった。支援チームを考えた際に、実際金融、経済部門職員の研修への参加があればより実践に活かしやすいと思った。
・内容についても大変良かった。農家目線になって経営を考えることが重要だということを認識した。グループ討議が多く、他のJAの方と意見を出しあったり、発表したりしてとても良い研修だった。今後の農家や地域の人たちとの接し方や職場内でのコミュニケーションの参考になったので活かして行きたい。
・生のデータ事例で長崎の現状を少しでも見ることができたと思う。ぜひ全職員研修を受けてもらいたいと思う。
・架空の経営実績でないので、より実践的な演習ができた。
・実際にあった事例を基にコンサルを行うことでより身近な問題だと確認でき、現場においても活用できる素晴らしい機会になった。通常の業務ではないので、なかなか考えない部分まで考えさせられたので、今後の業務の中で活用していきたい。
・実践に近い内容で良かったと思う。分析の知識向上のためにも座学の時間がもう少しあると良かった。
・畜産について最初からわからず、戸惑ったけれど周囲に聞いていろいろ教えてもらえた。コーチングは非常に勉強になったが、実践するのにはかなり日頃から意識して使っていないと難しいと思った。今後、日頃から意識して実践してみようと思う。
・事例の演習は大変良かったと思うが、即演習だったので、すぐ発想ができず戸惑った。
・経営分析を行う際に見なければという意識で行えば、かえって情報ばかりにとらわれて仮説がすんなりと立てられず苦労した。部門別に区切った考え方を意識できるようにしたい。経営コンサルを行った実例のその後の話が聞けて参考になった。考えているようには簡単に進まないことの方が実際には多いのでしょうか。最後のコミュニケーションの演習は大変良い経験になった。
・農家さんのためを思って一方的に言うことが多かったが、農家さんがしたいことを聞き出すために同じ位置に立って会話をしていきたい。
・コーチングは初めて聞きました、今後意識して行動したい。
・前期同様、経営については今まで行ってきた業務とは違って、内容の理解が難しい面もあったが、今後の業務において、JAや経営担当と連携して経営面談会を行う予定なので非常に参考になった。野菜担当なので、技術面の指導を主に考えていたが、少し見方を変えた指導ができると考えるので、有意義なものだった。
・実例を使っているため現実味があった。もう少しじっくり討議したかった。
・コミュニケーションスキルがすごく勉強になった。まず、実践できることとして農家の話に耳を傾けて所得向上につなげるような活動をしていきたい。
・実際のあった事例を取り入れ、経営分析についてグループで話し合い、それぞれの意見が聞けてとても参考になった。また、自分は理屈っぽく話をする傾向があるので、感情で説得することも大事なことだと思った。肥育農家の経営分析について畜産は関わったことがなく、戸惑ってしまい理解するのにも時間がかかってしまった。素畜費、預託など知らない用語も出てきて、質問の際に聞けば良かったが、周りの目もあり恥ずかしく聞けなかったことが反省だった。
・時期をずらして欲しい。現場にもってかえり活かせる環境ではない。
・前回から今回も集団分析を行ったが、班内で色々と意見を出し合い、まとめて発表を行う難しさと班が違えば見る点がまた違う場合があることが分かった。肥育農家の分析は難しかった。今回の研修で経営支援のイメージはもてた気がする。
・肥育農家の経営分析では、自分の担当外の部門だったので、項目等不明な点が多かったが、班内の畜産担当の方と意見交換をしながら理解できるようになったことは有意義であった。
・前回のおさらいをすることで思い出すことができたので、さらなる理解をすることができた。経営分析も大切だと思ったが、一場大事なのは「コミュニケーション」だと思う。しっかりとした分析も大切だが、人と話すのが一番大切になるので、今後の仕事に活かして行きたい。

【経営支援をするうえでのJAの課題】
・上層部と現場との温度差があると思う。どうしても売上高や推進に重点を置いているため現場の仕事を行う負担が増していると思う。もう少し現場を見てほしい。
・不振案件が出てきた時に、突発的にチームを組まされ、他の業務と掛け持ちをしながらの作業となるため、支援内容に集中して取り組めない実態がある。1つの重点事項として年度当初に、業務の中に組み込まれており、JAや市町との取り組み体制が整っていればより充実した経営支援ができると思う。
・人員不足の中、人的・時間的にできるか課題だと思う。
・周囲、役席者の理解が得られるかどうかが課題。
・経営の面はなかなか知ることができない面であり、個人の農家も開示したくないところでもあると考える。研修の中であったが、まずは農家との信頼関係が大事であり、人のつながり等を意識して今後の活動等を行う必要があると感じた。
・部署間の連携が少ないので、経営支援チームを作ることも、作ってからの情報の共有化等も不安を感じる。
・記帳代行サービスがすべての農家へ行きわたるよう整備し、経営支援体制と真剣に取り組むべきと思う。
・各農家の負債額であったり、借入金の内訳等をきちんと理解把握しておかないと、ケース3のような事態になる可能性があること。いろんな視点で農家と接すこと。金融、営農指導、各支所等が連携して情報共有を図ることが課題と考える。
・日々の業務で手一杯となり、不振農家になる前での対策ができていない。(どうしようもない状況になってから相談がくる)
・役職員に話を進めるのが難しいので、まず経営支援というものがあると思ってほしい。
・各店再編により店舗が統廃合され、組合員とのつながりが希薄になることが懸念され、出向く体制の強化を図るべく、渉外担当の増員配置が計画されているが、具体的な体制業務が明確でないので、早急に確立すること。営農畜産部の担い手対策課で農家の経営支援を行っているが、業務内容や要員体制の充実が必要と思われる。営農センター、支店との連携、青色申告会活動の拡大(会員の増。記帳代行者の増)、経営分析・診断コンサル業務担当者の育成など今回のような研修を受講させることなど。
・営農・畜産部と支店等の情報共有、認識の差異の改善。人員不足。
・ティーチング、コーチングスキルについては、各普及員が持つべきスキルだと思うが、実際どの程度理解しているのかわからない。
・いろんな部署で淀んだ空気を感じる。適材適所に配置する人材がいないのではないか。
・相次ぐ気象災害で収益の低空飛行→資材の節約→生産力の低下→販売実績の低下という悪循環になっている。試験場での栽培試験、現地の生産者に協力をいただいた実証、裏付けをもとに、マニュアル化した新品種の栽培方法が浸透しておらず、やはり低調のまま全体が危機感を通り越したあきらめに近づいている。後継者不足→高齢化→労力不足→生産力低下とこちらも悪循環である。
・実績がないため実行するまでに時間がかかりそうである。29年度以前の指導員にも周知すべきである。
・目の前の利益ではないが、JAの根幹にかかわる取り組みと思うので、そこに対する役職員の理解が必要だと思う。
・農家に対して上から目線での対応が再三見受けられるので、今回の研修が大変大事だと思う。
・JA長崎せいひの営農指導員は今回の研修のように深く農家の経営に干渉は行っていないので、今後今日までの研修で学んだことを活かして行きたい。
・上席者の意思。
・経営コンサルの聞き取り(ヒアリング)を行う際、当日初めて農家に出会い、本音を聞くのはとても難しいことではないかと思う。(現実は直前に選定農家が決まるので、複数回、話すというのは厳しい。)
・人の削減による人員不足。営農指導員の人材育成。
・個人的には農家とのコミュニケーションが必要と思う。今回の研修で学んだ信頼というのは不可欠であり必要と思う。人それぞれ性格も話し方も違うので、その方にあった対応をしていき、JA職員のモチベーションも高く持ちつけたらと思う。
・担当者の育成。長崎の研修会は大変参考になった。佐賀県でも検討されるよう提案する。
・青色申告手続きのサポーはある程度できていると思うが、そこから一歩進んだ取り込みに入ることが目標となった。農家に安心して農業に打ち込んでいただくように、また、希望や目標をもってもらえるように提案やサポートできるJA職員を目指したい。課題としては鹿児島にはこのような進め方ないので、取り込んでもらえるように要望する。
・お互いの機関の役割、担当者の役割をしっかりと双方で把握して、お互いに協力が必要であることを再認識することだと思う。

 
以上、前期3日、後期3日の長い研修会でしたが、毎年事務局の行き届いた準備とフォローのおかげで無事に終わらせることが出来ました。
7月に続き、事務局を務めて頂いた、宮崎次長、松浦様、福田様、ほか皆様、大変お世話になりました。今後もどうぞよろしくお願いします。

 

○非常に珍しい壱岐の焼酎
特に真ん中の天の川は珍しい焼酎

 

 

 

 

○五島うどん(上五島の船崎産)
これも島外からでない逸品