農業経営支援実践研修会(静岡)

平成30年8月1日(水)に標記の研修会が開催され、講師を務めさせて頂きました。主催はJA静岡中央会、参加者は県内JAから8名となりました。

【研修内容】
1.生産販売データからの分析
2.経営支援の進め方
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の全体像

【アンケート結果】
1.生産販売データからの分析
(大変良い75%、良い13%、普通13%、いまいち0%、悪い0%)
2.経営支援の進め方
(大変良い75%、良い25%、普通0%、いまいち0%、悪い0%)
3.経営分析演習
(大変良い75%、良い25%、普通0%、いまいち0%、悪い0%)
4.農業経営管理支援の全体像
(大変良い88%、良い13%、普通0%、いまいち0%、悪い0%)
5.全体総合
(大変良い75%、良い25%、普通0%、いまいち0%、悪い0%)

【研修について】
・経営指導でなく、支援として農家の方に教えてもらう必要があることがわった。
・今までも診断表を使い農家と面談していたが、比較分析まではやっていなかった。これから大変参考になる研修だった。
・今までは、経営分析というと個別の農家1軒を見ていたが、比較するということが大事だと理解できた。また、比較することで課題もはっきりし、提案もしやすくなると感じた。グループで討議することで、一人では気づかなかった点に気づき、内容が深まるということを実感できたので、実務でも各担当と検討を行いたい。
・資料が見やすくてわかり易かった。
・今まで踏み込んでこなかった分野だったため、経営支援をするためには、複雑で高度な知識が必要であると思っていたが、今回の研修でそうではないということがわかった。何よりも「気づく」という事が一番大事だと感じた。聞くだけの研修ではなく、実際に考えて実践するという点が非常に良かった。
・どこから切り込めば良いのかわかっていなかったところがあるが、自分の意識としても入口を広げることが出来たと思う。あくまで最終判断は農家さんにある中で、精一杯の助言ができるよう、数をこなし、経験を積みたい。
・実践演習も多くあり、内容をより具体的に学ぶことができた。経営支援のイメージのハードルが下がり、私たちでも取り組めるという意識が持てた。

【JAの経営支援の課題】
・複合経営の農家が多く、比較農家をどう集めるか職員の知識向上が必要である。
・今までは、各地区の指導員がバラバラでやっていたため、ばらつきがあった。JA静岡市の内部でも、このような研修ができれば良いと思った。
・税務申告は、代行記帳までまわらずに、一般の記帳支援で終わってしまっているため、申告データの精度が低い。一部Web簿記を導入しているが、人手が回っていない。
・記帳代行、経営分析を行う環境の整備、Web簿記や診断表等は使えるが、分析を行う人員を確保しなければならない。
・決算書を活用しながら比較しての経営支援や分析をやっていない。なぜなら、決算書をデータとして持っていない。手書きでの記帳代行がメインのため。
・税務支援も旧来のカタチを取っており、現状で経営支援専門の部署がないため、指導から販売までを担当している営農指導員が対応しなくてはならないため、体制を整える必要がある。
・税務支援の人員不足。経営分析に関する勉強会等意識統一の機会。
・経営支援の体制(誰がどの部署が行うか?)。職員の知識(税務知識のある職員が少ない)。

受講生が少ない研修会でしたが、それがかえって突っ込んだ意見交換ができることに繋がったかと思われます。
静岡での今後の当事業の健闘を祈ります。