経営計画策定支援研修会(岐阜)

平成29年8月1日に、JA岐阜中央会 担い手サポートセンター主催の標記の研修会がJA岐阜研修所で行われました。
出席者は県内の6JAから19名の参加がありました。

研修は、JA職員が稲作農家への経営計画策定を支援することを目的としたもので、米の直接払い交付金が30年産から廃止されること等の影響を考慮したものです。

【内容】
1.収支計画の策定
 ・経営計画書とは
 ・収入計画
 ・補助金収入の計算
 ・費用の見積もり
 ・収支計画の作成
2.経営計画の策定の実務
 ・計画策定のプロセス
 ・経営課題の言及
 ・計画策定支援のための業務フロー

【アンケート結果】
全体
(大変良かった14%、良かった68%、普通18%、いまいち0%、悪かった0%)

1.収支計画の策定
(大変良かった17%、良かった67%、普通17%、いまいち0%、悪かった0%)

2.経営計画策定の実務
(大変良かった17%、良かった58%、普通25%、いまいち0%、悪かった0%)

【研修会の内容について】
・経営分析と聞くと機械的な作業になってしまうと思っていたのですが、営農組織、担い手の思いや気持ちを踏まえた内容でしたのでとても良かった。
・意見をまとめる時間が短い。
・現在の業務にマッチングすることが多く、考えやすく意見も出しやすかったです。
・収支計画の策定については数値を用いての研修で解りやすかった。
・経営計画の策定実務は、農業経営で利益増につながった実践事例が良かった。もう少し聞きたかった。第二領域の説明は重要と感じました。参考に取り組みたいです。
・演習の時間をもう少しとってもらえればよかった。
・グループ協議をすることで、自分に無い意見や新しい発見もあって良かったです。
・収支計画の策定は、実際あまり触れられていない分野であり、しっかりと理解はできなかったが、あとは全体的にイメージできる部分であったので、しっかりと理解できました。前回本店のミスにより、簿記会計に参加できなかったので、また機会があれば参加してみたい。
・計画を作る上で必要な単価・単収の考え方を学べた。計算などしたことがない人には良いとっかかりになたっと思います。
・モデル農家について実際の計画を作ってみるというのがあれば、より効果的だと思いました。
・グループで共有することによって、自分の意見に自信が持てたり、さらに良いものとすることができてよかった。
・経営計画の実務に関し、話し合いの進行、役割等勉強になりました。
・丁度良いボリュームの演習(計算)もあり良かった。
・固定費、流動費の説明が良かった。
・グループワークの課題が分かりにくい。もう少し具体的が良いかも。ちょっと早い。
・もう少しGPミーティングよりも座学が主でも良かったかなと思った。
・演習問題をすることで勉強になりました。グループワークで他のJAの方が、実際にあった体験談を話していて参考になりました。
・経営計画=収支計画という考えがあったが、もっと広い目で考える必要があると認識できてよかった。
・他のJAの課題と取組状況が知れてよかった。
・話し合うテーマがもう少し具体的だと良かった。各地で状況が全く違う。
・各々の業務内容が違い、経験の少ない職員には難しかった。
・グループ研修 様々な意見を聞くことが出来る。
・演習問題の答えをスクリーンに映してもらえたので計算方法などよく理解できた。
・二日ぐらいに分けてやっていただけるとありがたいです。
・いかに経営計画をしっかり支援することにより、10年、20年後の経営を確保していくのかを教わりました。指導側の意見をしっかり持ち、中立の立場を保つ。
・後半については営農部門の専門的な知識が必要で、担当していないとわかってこない内容となっていて、私自身の知識の無さ、勉強の足りなさを実感しました。反面研修にただ参加しているだけとなってしまい残念でした。
・グループ研修で他のJAの方の意見や行動が解り、自分の仕事の1つの切っ掛けになったと思う。

【経営支援の課題】
・現状の営農組織、担い手の問題点に対してJAの行動が遅れている事。
・農業所得向上。
・実際の農業経営に対してのJAとしての関わり方に方向性が定まっていない。
・米麦大豆農家が多い。野菜にシフトしたいが設備がない。
・農家の高齢化が進み、改善策に取り組めない方が多い。若い方は取り組んでいるが、少人数なので、生産団体として見える成果が表れにくい。
・訪問回数、コミュニケーションがまだ足りない。所得増=コスト削減になりがち。課題の共有(JA内、担い手共有)提案とフォロー(支援)
・生産者に何を、どのように支援するかが、曖昧になっている。
・経営状態は表面上の事しかみていないので、内面を見ていくことが必要である。
・新規農業者、経営支援者に対して積極的に農業融資と営農指導をしてく両輪の活動ができていない。
・ニーズの把握には努めているが、経営計画作成という次のステップに進んでいかない(切り出せていない)
・農家の現状を把握する機会があまりないことが課題。
・今後の法人の在り方について深くかかわっていきたい。具体的に数字にして提案していく。
・今だに家から目線で指導してやる、と考えている人がいるのは問題。
・農産物を1円でも高く売れる努力をしていない。
・施設での飼料用専用品種の荷受と作付け転換推進。
・数年(3年~5年)で異動があるため、職員が育ちにくいと思います。折角なら専門部署を作り、異動のないようにすれば、お客様から信頼・安心を得られると思います。
・過疎、高齢化、若い人が地元にいない。品目や有機栽培とのすみ分け。
・指導側の知識不足等により困惑することがある。
・担い手、後継者の問題。トマト、ナス、栗等の後継者不足の問題。新しい品目提案。農家所得アップ。

 

普通作の集落営農などを想定した初めての内容での研修でしたが、様々な情報や資料の提供に努めてくれた、事務局の厚い協力も有り無事終了することが出来ました。
野田センター長、藤川調査役 ほかサポートセンターの皆様。事務局および受講者として様々なご協力とご理解を賜れたことを感謝申し上げます。