農家経営分析診断・コンサル担当者研修会-後期(長崎)

前期に続き、標記の研修会を、平成28年8月24日(水) ~26日(金)の3日間行いました。毎年前・後期で二日ずつというカリキュラムでしたが、毎年後期は時間が不足したため、今年は後期を3日とさせていただきました。

3日ということもあってか、参加者はJA11名、県振興局8名と若干減ってしまいましたが、講師は全力で行います(笑)。

【研修内容】
1.前期のおさらい
2.肥育農家の経営分析
3.集団分析
4.経営分析のフィードバック
5.コミュニケーションスキル
6.個別経営支援(経営コンサル)
7.受講者の目標設定
おわりに.経営支援に携わるひとへ

 

 

 

 

 

【アンケート結果】
1.研修の内容について
1.前期のおさらい
大変良かった(6人) 良かった(10人) いまいち(0人) 悪い(0人) 未記入(1人)
2.肥育農家の経営分析
大変良かった(7人) 良かった(10人) いまいち(0人) 悪い(0人)
3.集団分析
大変良かった(8人) 良かった(9人)  いまいち(0人) 悪い(0人)
4.経営分析のフィードバック
大変良かった(13人) 良かった(4人) いまいち(0人) 悪い(0人)
5.コミュニケーションスキル
大変良かった(11人) 良かった(5人) いまいち(0人) 悪い(0人) 未記入(1人)
6.個別経営支援(経営コンサル)
大変良かった(13人) 良かった(3人) いまいち(0人) 悪い(0人) 未記入(1人)
〇総 合
大変良かった(10人) 良かった(3人) いまいち(0人) 悪い(0人) 未記入(3人)

 

 

 

 

 

2.研修で良かったところ、悪かったところ
・今回で2回目の参加だったが、昨年は何もわからないままの受講で、今年はわかるようになった気がする。経営分析のフィードバック、コミュニケーションスキルなど、今回習ったことを参考に農家さんとの面談に役立てたいと思う。経営コンサルでは提案だけで終わらずに、行動支援と進捗管理(計画変更)ができるように頑張りたいと思う。
・グループ討議の質が良く、十分な討論ができた。研修の中で、いろいろな人(立場)の意見、実情等を聞けたし、雑談の時間でも聞くことができるなど研修外でも楽しい時間だった。発表時間が長いので、最後に駆け足になってしまったと思うので、発表時間を区切った方が良いと思った。
・お互いにコミュニケーションの演習ができたのが良かった。
・コミュニケーションと個別経営支援の時間がたくさんあって良かった。
来月から個別面談を予定しているので学んだことを活かしていきたい。
・全体を通して大変勉強になった。
・経営分析診断、コンサルの手法について詳しく学ぶことができた。タイムスケジュールがタイトすぎたので、もう少し余裕のある時間設定にしたらどうか。
・肥育農家にもいろいろな人がいるので、この研修を活かして頑張りたいと思う。
・現場向けで非常にわかりやすくて、面白かった。何よりも講習会の形式が楽ですごくよかった。また受講したいので、2回も3回も受けられるようにしてほしい。(1年経ちましたが、どうでしたかみたいな研修会)
・経営、コンサルからコミュニケーションスキルまで幅広く学べて良かったと思う。
・現在の担当が野菜で、肥育牛の経営分析は最も遠い分野であった。そのため、なかなか深い議論ができなかった。
・現状では、販売面は好調に推移しているが、いつまで続くか危惧している。今回の研修を活かした分析等を事前に取り組みたいと考える。
・肥育農家の経営分析では時間不足で、目標値の設定まで至らなかった。経営分析のフィードバックは要点をつかんで説明できるようにしたい。コミュニケーションスキルは現在ほとんど身につけていないことを反省し、今後気をつけたい。演習の模範解答があれば参考になる。
・演習が多かったのはとても勉強になった。データの分析についても他の人の考えを知ることができ、気づきも多くあった。時間が足りなくて残念だった。
・集団分析の研修では、なんの関係もないような事項について、関連付け分析することによって見えてくるものがあり、非常に興味深かった。
・短時間で話し合いとまとめをするのは大変だったが、良い演習ができた。演習が多いところが良かった。
・コーチングはJAの職員研修でも行った方がよいと思う。今回はゆっくり時間を取ってもらい良かった。コンサルについては、じっくりと時間をかけたのでJAに戻ってから詳しく報告できるようレクチャーしてもらったと思う。イチゴ、肥育牛以外の分析演習も行っていただきたい。
・今回から日程が3日間に増えたので、各内容がわかりやすく聞くことができた。特に2日目のコミュニケーションについては、農家の気持ちになる大切さ、日頃なにげなくしていた会話一つで、相手との信頼関係を深く築くことができるのが分かったと同時に難しさを感じた。また、個人の目標をたてて意識を持つ重要性を知った。

 

 

 

 

 

3.農業経営管理支援事業を進める上での課題について
・各部署との横のつながりがないので、もっと連携をとり経営支援に役立てたらと思う。
・JAの上司、役員にも先生の研修を受講してもらい、経営支援の重信頼関係の要性を理解してもらいたいと思う。
・人員不足。
・すぐにJAの収益につながらないことへの理解。
・複数の営農指導員がコンサルの知識を持つことが大事だと思った。
・部門担当者(専門分野)との情報共有及び親密な信頼関係の構築が大事。
・対象農家によって、数値による対策だったり、気持ち(情)に訴えるような対策など、実際面と向かった時の対応が難しいと思った。
・感情的にならず、冷静に分析をして、対応を組み合立てることが重要。また、経営担当者の育成が必要(若手が少ないため)。
・経営支援に行かぬように指導員の質の向上が課題。
・所得目標を設定した施策のPRばかり出て、個々の農家の経営改善に目が向いていない気がする。
・JA、市、県など関係機関の連携構築が大切である。
・進めるにあたって、課題については理解していても実践する手法等が共有されていないことが多い。直接指導にあたる職員は理解し、努力しているが、上層部が手法、指示の仕方など指導ができないケースも多々ある。
・支援事業をJAの事業として行うためには、役員の理解が必要であると思うが、役員が内容を理解しているのかわからない。まず、役員の研修機会を与えたらどうか。債権回収のための手段となっていないか。
・何でも一度にはじめてしまった感じがする。県央は今年からなので、県の新計画と同時スタートで力を割きにくい。
・部課長とも経営分析までを早く取り組めるようにという考えを持っているので、その点では建設的意見を話し合える。役員も税務支援をやっているのだから経営分析、コンサルへと期待(?)しているらしいが、早急な結果が出るとも考えているらしい。我々、税務支援担当も共済や貯金、ジュースの販売等のノルマ達成の締め付けが厳しく「やる気」は上がらない。これは他の部門も同様でJAに若者がいなくなってきている。農家の後継を考えることは大事だが、JA内の後継者、特に指導員などを育成しないと農家の支援ができるわけがないと思う。「未収金」になりそうな農家への販売推進や共済勧誘など横のつながりが希薄すぎる。税務支援担当は2、3月以外は暇と思われ部内の他の作業をやらせて部全体の人員削減を提案する役員もいる。

 

 

 

 

 

3日間の研修も時間いっぱいまでかかってしまい、受講生はお疲れだったことでしょう。
ただ時間があった分だけ、コミュニケーション演習やコンサル手法に時間が多く割くことができたことは良かったと思っています。
ここで学んだことを少しでも現場の実践で活用していただけたら、講師として望外の喜びです。

最後になりましたが、毎度お世話になっている、JA長崎県中央会、松浦係長、福田様、県農林部、鳥越課長補佐、岩間係長、ほか皆様、今年もどうもありがとうございました。
皆さまの期待に応えるために今後もがんばっていきたいと思います。