農家経営分析診断・コンサル担当者研修会-前期(長崎)

今年も、JA長崎県中央会と長崎県農林部共催の標記の研修の講師を務めさせていただきました。
開業してからこの方、毎年お呼びいただけることは本当にありがたいことです。

今年も前後半とあり、前半は平成28年7月28日(木) ~29日(金)の2日間で開催され、参加者は、JA15名、県振興局11名となりました。

 

 

【研修内容】
1.オープニング
2.農家経営支援とJAの経営
3.農家経営支援の全体像
4.経営支援の進め方
5.経営分析演習
6.短期事業計画の策定
7.長期事業計画の策定

【研修アンケート結果】※長崎県中央会様に集計していただきました。
1.研修の内容について
1.農業経営管理支援事業のよくある落とし穴
大変良かった(14人) 良かった(7人) いまいち(0人) 悪い(0人)
2.農家経営支援の全体像
大変良かった(13人) 良かった(8人) いまいち(0人) 悪い(0人)
3.経営支援の進め方
大変良かった(16人) 良かった(5人) いまいち(0人) 悪い(0人)
4.経営分析演習
大変良かった(16人) 良かった(4人) いまいち(0人) 悪い(0人)
5.短期事業計画の策定
大変良かった(12人) 良かった(7人) いまいち(0人) 悪い(0人)
6.長期事業計画の策定
大変良かった(11人) 良かった(7人) いまいち(0人) 悪い(0人)

 

 

 

 

 

2.研修の内容について
・グループ討議でグループ員の意見を聞くことができるのはとても参考になった。会議の際のアイスブレイクの手法は取り入れたいと思う。
・分析の際の考え方、視点、作業の流れなどがわかって良かったので、多くの人に受けてほしい。ただ、今回は他の研修会議等と重なってしまい、参加したいが出られない人もいた。時期がずらせればと思った。
・経営分析の手法が研修でき有益であった。
・先生の研修内容はわかりやすかった。
・最初から理解しやすい内容でした。専門用語の一覧や各費目の説明などもあればよいと思った。
・経営支援事業の根幹が明確で理解しやすい。分析や面談時の準備等もわかりやすい。演習が多いのでとても良い。グループ討議はしらない人達とのグループなので、コミュニケーションの訓練もできる。また、経営分析のやり方が分かった。仮説(課題)の設定など、絞り込み、細分化、関連付けの思考イメージを組み立てることが大切であることが分かった。
・新人で経営について基本すら知らなかったが、今回の研修で講師だけでなく班の人にも教えてもらったりしたので勉強になった。今後の仕事や経営の学習に活かしていきたい。
・研修内容に農家のファイナンシャルプランまで入っておりためになった。今後の指導においても農家の家計を意識していきたい。
・経営分析の演習は難しく感じる部分もあったが、基本的な考え方を学ぶことができ参考になった。話も面白かった。
・わかりやすい説明で理解できた。
・グループ演習では他の部署の方よりいろいろな意見が出て役に立った。
・資料、スライドが見やすくわかりやすかった。途中、少し早足での説明の箇所があった。
・眠たくならない面白い研修だった。スクリーンが若干見にくかった。
・演習やグループ討議の時間が不足した。
・グループワーク等があり、自分の意見を出しやすい環境であり良かった。少し項目が多いかなと思った。
・今回の研修を通じて、日頃は農家と販売について、話し合いを主に行い収入向上を目的としていたが、もう一歩農家の経営に踏み込むことで、収入と支出を深く把握し、一番大事である所得を上げることにより農家経営を安定させることにつながることを認識することができた。

 

 

 

 

 

3.農業経営管理支援事業を進める上での課題について
・手法を上層部に理解させることが必要。
・農家の意識向上をいかにするかは、JA及び関係機関の人員確保だと思う。
・記帳代行料金の設定が揺れている。経営規模、多事業、消費税など差別なく一律の料金が農家側には不公平感が出てきている。JAサイドにおいては、フルサービスではこのままでは安すぎるとの感がある。オペレーション・記帳代行担当者の後継を考える時だが、いなくなって補充するというスタンスが変わらない。
・どこまで農家の経営にはいっていけるか。信頼関係を築く必要がある。
・研修でもあったように農協の直接利益をうまないため、役員が積極的でない。
・農家との信頼関係を築くのが大切だと感じたので、コミュニケーションをつける必要がある。
・経営支援業務に取り組む職員の数が少ない。今後は各専門担当など幅広く支援できる体制整備が必要と思う。
・推進体制の構築が必要。
・農家の経営内容を十分に把握できていない人が多いので、自覚させることを最優先しなければならない。内容を整理する側としては農家と信頼を高め制度の高い情報を基に相談、アドバイスをする必要がある。
・青色申告会等の組織はあるが、データとしての蓄積がない。
・記帳代行後の経営診断、分析、コンサルが不足している。

 

今年も前半を緊張感をもって無事終えることができました。
毎年来てくれる方、久しぶりに来てくれた方、始めてきてくれた方(一番多い)と、いろんな立場の受講者がいますが、来たことを後悔せず、何か新たな発見や気づきをして帰ってくれれば、講師として本望です。