設立初期法人の運営管理支援研修会 後期(新潟)
11月30日(月)10:30より、新潟県三条市の燕三条メッセピア4Fで、JA新潟中央会・農業法人支援センター主催の標記の研修会が開催され、前期に引き続き当研究所が講師を務めた。
参加者は65名うち農家が39名、JAグループから17名、行政普及から9名の参加となった。
研修内容は以下の通り
【研修内容】
Ⅰ.前回からのおさらい
1.経営の基本
2.データから理解する農業情勢
3.事例から考える集落営農
4.集落法人の経営目的と目標の設定
5.決算書と会計から現状を把握する
Ⅱ.話し合いのスキル
1.話し合いの基本ルール
・話し合いの成果=決定内容の質×参加者の納得度
・話し合いの基本ルール
①相手の話をさえぎらず最後までしっかり聴く
・・・・等
・進行役の心がけと話し合いの進め方
共有→発散→収束→決定 等
・確認を取りながら進める(解りにくい発言の確認・要約など)
2.コミュニケーションの基本スキル
・「承認」「傾聴」「質問する」の三つの基本スキルを学ぶ。
・参加者同士で集落営農法人の目的や目標について語り合う演習を行う。
Ⅲ.まとめ
1.意見交換
各参加者の属する法人の目的・目標・現状と今後の対策について班内で共有する。
補論.労務と社会保険
1.労務管理の基本知識
使用者としてしてほしい、労務の8項目
労基法の適用除外項目
2.社会保険の基本知識
労災・雇用・医療・年金の各種社会保険への組織別の対応について
3.集落営農法人の労災保険
特別加入の概要などについて
【アンケート結果】
・大変良かった31.4%、良かった61.9%、いまいち6.6%、悪い0.0%
ー研修の感想ー
・学校の先生たちにはよい研修と思いますが、百姓には難しいです。
・法人の代表は色々と人格的に良好でなければならないと、再確認しました。
・労務管理を詳しく聞きたかった。
・コミュニケーションは重要であるが、参加者の年齢層により演習の時間を考えてもらいたい。若い方には効果的であるが、年配の方にはどうか。
・木下先生の研修会は楽しいので楽しみでした。
・コミュニケーションは重要だと思いますし、参考になりましたが、少し長すぎるように感じました。
・研修内容から考えて、決算書や労務関係の説明や演習を増やした方が良いように思えました。
・生産者の方と交流でき、話を聞ける場があるのはとても良かったです。
・話し合いの所で、法人の方向性とか行政の立場では話ができなかったので、テーマを事前に与えて工夫をしてほしかったです。
・本日みたいな、参加型の研修会は参考になりました。今後、この研修会みたいな取り組みを考えたいと思います。
・ファシリテーションは、行政やJA等の支援機関にも必要なスキル(むしろ農業者以上に必要不可欠なもの)であり、大変参考になるものでした。
・法人設立に向けた実務についてもう少し詳しく知りたかった。(出資金の決め方、従事分量配当/確定給与の考え方等)
・話し合いの基本ルールについては、特に自身でもどうしたらよいか悩む点でもあるため、非常にためになりました。
・また、意見交換は、他地域の法人の方からも現状や課題を聴くことができ、スキルアップと言うより、情報交換の場として貴重な体験をさせていただきました。
・実践的で刺激的な進行であったため、時間が短く感じた。
・大変役立ちました。多少内容が重すぎたように感じます。
・先生の熱い講義にほれました。
・他の経営体の話が聞けることは良いと思う。もう少し時間があっても良かったと思います。
・聴き上手になれるよう頑張りたい。
・コミュニケーション、意見交換など有りよかった。
・コミュニケーション力聞けてよかった。これを肥やしにして頑張りたいと思う。組合長任せに反省したい。
・前回からのおさらいが若干長すぎたように感じた。
・今まで自分が参加した会議等で、今日習ったことを実践できていたら、より良い会議になっていたなと思えた。そのくらい有意義な内容であった。
・仕事に有効に使えるスキルなどを押していただいて感謝しています。
・参加型の演習は非常に重要なうえに、農業者と意見交換した内容を、自分自身で考えて還元していきたいです。
・農業者を支援、協力していきたいと強く感じました。ありがとうございました。
・農家、法人に対する研修として、コミュニケーションスキルの研修は、有意義だと思う。地域の調整役を担っておられる方々の支援としては、今後参考になるものではないか。
・大変勉強になった。
・多数決や一任は最後の手段というのは大変良い考え方である。お互いの考え方の相違点を深く話し合い、互いに理解し合うことが大切であることは良かった。
ー法人の課題ー
・他の面積が小さくて機械化が大変です。
・減反のためのソバを作っていますが、補助金目当てです。
・経営方針、作業計画の周知徹底が難しい。
・今、米価が下がりまた補助金も減り大変なことになりました。農という字を分解すると曲がった辰です。その通りです。
・高齢化で維持が大変である。中山間地域で草刈などの労力を要する(経費)。協同で力を合わせて乗り切っていきたい。
・法人化に向けて、準備の段階に居るのですが、手探りの状態で具体的にこれからどう動いていけばいいのか、また自分たちの目指す法人と同様の形態の法人があれば、今後の参考にさせてほしいので、そのような情報が有れば教えていただきたい。
・若い後継者がいない。
・従業員雇用
・構成員との話し合い。
設立5年未満の集落営農法人の構成員向けの研修会ではあったが、これから法人を立ち上げようとする農家やJAや行政の職員が多数参加したことから、参加者それぞれの思惑が多様であり、全員に満足をしてもらったかはイマイチ自信が無いところです。
しかし、一番心配していたコミュニケーション演習では、皆さん積極的に話をしてくれ、非常に安心できました。
まだまだ、改良の余地のある研修だと思いますので、私の方も今後の研鑽をはかっていかなければなりません。
最後になりましたが、事務局を務めていただきた、JA新潟中央会の小見禎彦リーダー、郷直俊様、大変お世話になりました。私も今まで以上にスキルアップをしていきますので、今後もどうぞよろしくお願いします。