農業経営支援セミナーⅠ(オンライン)7

2023年5月19日(金)、表記のセミナーをオンラインで開催しました。
今回の参加者は岩手県1名、愛知県3名、香川県1名、熊本県1名の6名で開催しました。

【内容】
1.支援マインド
2.農業経営支援の実務
3.分析演習
4.総合評価

【アンケート結果】

【セミナーの良かったところ悪かったところ】
・支援マインドに関して、他の研修等にも取り入れたいぐらい良いものだと感じた。

・初めて参加しましたが、農業の経営支援に対する考えが変わりました。今まで身構えていましたが、農家さんと一緒に話し合い、農家さんが目指す目標に一緒に頑張っていこうと思う研修でした。

・課題感のある決算書をもとにして議論ができたこと。
・決算書を一通り読める方と議論ができたこと
・農業経営支援は提案ありきではないことがお示しいただけたこと いずれも貴重な時間となりました。
 
・財務諸表で読み取れる経営状況を知ることでできてよかった。
 
・知識を覚えるではなく考え方、接し方を覚えるの意味を理解しました。 とても有意義な時間で1日が早く終わり興味深い研修でした。 今後の業務にとても役に立つと思います。 ありがとうございます
 
支援マインドによる農業者の主体性に重点をおいた分析内容の提供ということで、これまでに無い研修内容でその点が興味深かったです。単に数字を追うだけでしたら税理事務所や金融業務でも可能かと思いますが、そこから比較・細分化し、課題の抽出と仮説を立てていくことはJAにしかできないこと業務内容だと改めて認識できました。最後の経営分析演習がうまくまとめられなかった点が反省点ではありますが、他のJAの方と意見を出し合うことでいい経験ができたと思います。今回はありがとうございました。

【農家の経営課題は】
経営管理ができておらず、自ら考えようとしていない。また、「まあいっか、どうにかなる、またそのうち」などと考えている点も課題。

・現状の経営を把握しておらず、将来どうなりたいかがわからないことだと思います。 農家さんと話し今後どうなりたいか聞き取り、一緒に目指す職員になりたいと思います。
 
・農家が人として未熟であること  
・他責性の高い農家が多い。  
・主体性を持ち、自らで自身のビジョンを描き、それを実現するための道筋を描くことが、経営者として当然の務めであるにも関わらず、それができない。  農家向けの農業経営の勉強会では、ビジョンの明文化・長期計画の立案を必ずと言ってよいほど行っているにも関わらず、これが血の通ったものにならないことも問題だと感じています。

・農業者が主体的になるための活動を実践していきたいと考えています。 普段の会話もその一つですし、非日常の場面でも、そのような機会を創造していきたいと考えています。

・農家または法人との距離間。農家毎の温度差。

・自分のおかれている状況を認識していない方を多く見受けられます。 良かった時代が忘れられず自分の行動は正しい、経営の悪化は自分の責任では無いという思いが強くアドバイスを受け入れられないことが経営の課題であると認識していました。 今回の研修を受講しアドバイスの仕方を変えれば受け入れてもらえたかもと思いました。 今後は理論武装せず経営支援を積極的に実施したいと考えます。
 
一番問題なのは、青色申告会や税理士など記帳代行先に任せて、決算内容を農業者が理解していない点かと思います。どんぶり勘定といえばそれまでですが、しっかりと収益を上げている農業者は、決算内容やキャッシュフロー内容を理解し、事業計画を立てられているように感じます。すべての方がそのような優良農業者を目指すのは不可能ですので、その点を簡易分析という形でも農業者に情報提供していくのがJA経営支援の課題かと思います

 

 

今回の受講者は経験豊富な方もいて、演習でも鋭い見解を聞くことができました。
毎回思うところですが、経営支援のハードルを不要に高く感じて、実施に躊躇している方が多いようです。
ただ、現在のそれぞれの立場で、出来る範囲から始めるだけでも支援は有効だと思います。