担い手支援担当者等研修会 経営管理実務コース(福岡)

2022年9月28日(水)~29日(木)の二日間、標記の研修会がJA福岡中央会主催で行われ、講師を務めさせて頂きました。
福岡も毎年普及センターとの共催という形で、出席者は7JAから9名、普及Cから6名の合計15名となりました。

【内容】
1.支援マインド
2.農業経営分析の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の事業戦略
5.事業と生活の計画

【アンケート結果】

【研修内容の良かったところ悪かったところ】
〇経営分析には、難しい解説が必要だと思っていましたが、基本的には知識のみで青申データと集荷データがあれば話が出来ることが分かり、経営支援に入るハードルを下げることが出来たのでとても良かったです。内容では特にライフプラン、支援マインド、仮説の立て方(グループ演習)が参考になりました。
〇経営分析、コンサルはハードルが高いものと思っていたので、現状の把握だけでも有効で、相手に考えてもらう事が重要で、提案をどうしようかと考えていたので気が楽になりました。
〇経営改善をする上で、あくまで分析して仮定を考えいることは非常に時間がかかると感じました。農家との経営改善を行う際は、仮定までで農家の意見を尊重していきたいです。
〇受講前は、決算書の各項目、数字を理解してからでないと支援できないものと思っていたが、数字から見る仮設立てや要因分析をすることで、何かしら分かることも出てくると知れた。
〇計画を立てて提案をしなければならないと思っていましたが、農家が自分で考えること、提案までいかなくて良いという点が参考になりました。研修を受けて自分の提案は決めつけだなと感じました。少し早口(講師が)だなと感じました。
〇経営管理分析のためには信頼関係が大切という事がわかり良かった。
〇ディスカッション形式で分かりやすく集中しやすかった。実践向きな内容で良かったです。
〇今までにない、経験したことのない支援(経営)研修会であり、頭を再度柔軟にすることが出来ました。
〇丁寧で分かりやすくて良かった。授業のデータをレジュメがあったり良かった。
〇専門知識が必要ないことが分かった。
〇自分で自分なりの答えを見つけて実践していくという、本人の内発性を出していけるような動きをしていきたいです。
〇個人またはグループで考えながら受講できた点は良かった。
〇青色申告の内容が実際と異なる理由が理解できた。

【農家の経営課題】
〇どんぶり勘定でやっている農家が多い。決算書のふり返りが出来ていない。
〇将来のプランが出来ていない(ライフプラン含め)。
〇自分の周りだけでなく、地域外・他産業などもみてほしい。昔から~だから~がいまだにある。
〇経営目標を作る事。
〇販売金額(収益)には興味があるが、利益にはあまり興味がない。経営状況の把握があまりできていない。
〇最終所得が低い傾向になっており、生活をしての事業利益となると厳しい実態です。
〇なんとなくの経営が多い。
〇申告書を見返そうとしない。売上にしか目が行っていない。
〇自己分析が出来ていない。周りと比較しない人がいる。意欲が無い人がいる。
〇農家との関係構築をする所。

【組織の課題】
〇経営支援は難しいという思い込みがある事と業務多忙という事もあり行動に移せてないことです。経営支援の重要性を再認識・共有し大事な業務としての位置づけが出来ると良いと思います。
〇農家組合員との関係で、どこまで指導なのか?組合員はJAの支持を待つ方とJA外に求めている方がいる。
〇普及センターは、栽培・技術ばかり考えがちで、経営面に対する支援力が不足している。
〇各事業所との連携。
〇経営支援の場はあるが(面談等)職員のコミュニケーション能力や説明力が力不足と感じる。
〇経営支援はとても大事だと思うのですが、現実的には時間的にも人的にも大変厳しい状況です。仕事としては申告業務を兼務していますが、申告を終わらせることに精一杯で経営支援までいけていない。
〇進めるにしても上層部の意識が足りない。言葉のみ。
〇人員をさけない。時間がない。
〇農家支援情報の一元化。

この研修会も8年目を迎え、無事コロナ禍が続く中でも終了させることができたことを喜ばしく思うと共に、関係者の方々に感謝したく思います。
事務局を務められた青柳次長、水谷様、2日間大変お世話になりました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。