営農指導員・県普及指導員合同研修ー経営ー(沖縄)
2022年8月31日~9月1日の1.5日、JAおきなわ主催の表記の研修会が開催され講師を務めました。
昨年はオンラインでの研修会でしたが、今年は現地会場で開催できて良かったです。
台風が来たので営農指導員がその対応に追われ、出席者は最終的にJA6名、県5名の合計、11名となってしまいました。それでも、積極的な意見交換などあり、受講者の満足も高かったのは何よりです。
【セミナー内容】
1.支援マインド
2.農業経営支援の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の事業戦略
5.事業と生活の計画
【研修会の内容について】
○分析とコンサルを切り離すという発想が目からウロコ。
→是非実践してみてください。
○今回、県普及員と一緒に研修でき、顔つなぎになって良かった。
○たて、よこ比較の組み合わせが分かりやすく、効果的だと気付かされた。
→特に横の比較は有効です。
○今後、県+JAの座学会(交流会)を企画してみます。
→いいですね!
○JA内でも営農指導員と経営担当合同で農家へのアプローチを実践してみます(モデル農家ではなくリアル)
→実践が一番の勉強ですね。
○2日間とても濃い講義ありがとうございました。
→こちらこそ、ありがとうございました。
○経営分析演習での分析方法だったり家計費の算出方法やライフプランシート作成、フィードバックの仕方等学びが多く今後に活かしていける内容ばかりだった。
→是非活かしてください。
○経営分析で決算書のポイントを抑えることや、フィードバックを行う事で現状把握ができる。グループワークでいろいろな意見を聞くことができました。
→参加者から学ぶというのもこの研修会の狙いです。
○演習やグループワークでの意見交換があり、経営分析について深く学ぶことができた。ありがとうございました。
○今までは一人の生産者の決算書を分析していたが、今回の研修を受け「横の比較」をしないと見えてこないことが多いことが分かった。一方「横の比較」は複数の生産者のデータが必要であり、情報収集の面で普及組織のみではかなりハードルがあるとも思った。JAの記帳代行サービスは、経営分析の入り口としてとても良い取り組みだと思う。連携をより強化していくために、まずは同じ品目担当のJA職員との情報共有を更に積極的にやりたい。
→データはJAに多くあるはずですので、それを活かしてうまく連携できたらいいですね。
○農業経営に関する用語や制度の説明はよく聞くが、具体的な支援や指導方法を知る機会は少ないので、大変参考になった。
→実践を売りにしている研修ですから(笑)
○自分自身が想像していた計画の組み方や接し方は、今回の研修でズレていたんだなと感じました。「農家に考えさせるのが支援」を常に意識しサポートしていきたいと感じました。
→是非頑張ってください。
○経営分析の演習がとても良かったです。今まで改善策や提案することにとらわれて、なかなか成果が出なくて悩んでいました。今回の研修会で支援マインド、農家を信じて接することの大切さが学べたのがとても良かったです。有意義な研修でした。ありがとうございました。
→この道年十年のプロ相手に「改善案」や「提案」など簡単に出来ませんから。でも支援者としてやることは他にあります。
○グループ研修で、色々な意見が聞けて、気づかされた部分があり、勉強になった。今まで決算書をほとんど見たことが無かったので、この研修で見るポイントがなんとなくですがわかった気がしました。
○良かったところ:ワークが沢山あったので、沢山考えられたところ。「支援マインド」のことは、すごく大事なことだと思うので、沢山の人に知ってほしいと思った。目的と目標の違いを認識できたこと。
○農業大学校で、畜産経営分析の講義を持っているので、ライフプランの話を取り入れようと思います。
→いいですね。若い農業者には是非やった方がいいですね。
○支援マインドが一番印象に残りました。
○農家本人が改善に向けて自ら考えて主体的に行動を促すよう、接していきたい。
→がんばってください。
○営農(技術)だけではなく、経営的な視点で農家と接していきたい。
○今日は台風もかさなり参加者が減った。→支援マインドは普及員、JA職員と幅広く聞いてもらいたい内容だったので、リモート研修でもいいので是非お願いしたい。
→こちらこそよろしくお願いします。
【農家の経営課題】
○税金対策のためという傾向が強い
→ですね。
○代行利用者への決算分析(簡易)フィードバックも形式的だったので、もっと深堀して考えさせる伝え方ができるようにしたい。
○農家さんにもよりますが、ビジョン(目的・目標)を持っている若手もいますので、そのような農家さんを増やしておきたい。
→中堅からベテランはビジョンなどない人が多いですね。
○自然相手の中、どれだけ栽培スケジュールを無理なくうまくこなしていけるか。
○農業経営費と生活費がわからない。難しいとは思いますが、家計簿を作成する。
→家計簿はレコーディングダイエット効果もあるので、定着すれば効果ありです。
○経営の細かい部分(経営費)をあまり考えていないのが課題。他人に任せすぎるのではないかと感じる。
→他人任せ→他人のせい、になるのが怖いですね。
○所得額の低さ。栽培上のリスクに伴う売上額のふれ。
○改善計画等を見ると実態と合っていない理想の計画などが多くみられる。実態に合った計画や収支バランスを考える必要がある。
→計画がよそ向きのモノになっているのですよね。
○経営分析をうまく活用できる農家がおらず、毎年同じ問題を繰り返していることが度々ある。
→自分の経営を見つめ直す機会を作る必要がありますね。
○経営者と経費の帳簿をつける人が別になっていて家族間で情報共有ができていない農家がいたりするので支援をするうえではやりづらいところがある。
→家族間のコミュニケーションって、重要ですよね。
○どんぶり勘定。そもそも自分の経営を把握していない。把握しないといけないと思っていない。
→あるあるです。
○感覚的に農業経営を行っている。
→あるあるです。
○計画性(作付け、品目の組み合わせ、収穫時期など)を充分に検討する必要があるのでは。
【JA等組織の課題】
○そもそもJA内での認識が低い
→がんばりましょう!
○対外的にはアピールしているものの、内部での体制作りに温度差が大きい。
→ありがちですね。
○融資の審査や補助事業導入時など必要な時だけ声がかかる「良いとこ取り」状態です。
→情報があると認識しているだけいい方です。
○JAの総合事業を展開する中で、その基盤となる取り組み(波及効果)であることを役員には理解してもらいたい。
→ぜひ理解してもらう必要がありますね。
○行政、関係機関との連携。情報共有。
○情報共有の場が少ないと思います。
○結果に対して農家に経営の重要性を考えて頂く取り組が薄いと感じる。
○JA、普及所との連携がコロナ等の影響もあり、浅くなっているため、研修や共同巡回等により、気軽に情報共有、そうだんできる体制に出来ると良いと思った。
○営農指導、経営専門、それぞれの事業内容は把握しているが、連携が弱いと感じた。
○組織内での記帳代行への理解が低い事。
○普及センターとJAの交流があまりない。
→こういう研修会を合同でやっていくのは一つの手段ですね。
○普及は技術担当と経営担当に分かれている。意識して連携する必要がある。
○普及の技術担当は、経営を見る(診る)意識があまりないし、その機会もあまりない。
○営農と経営担当、県とJAのつながりを強くする。そうした場を設ける。
1.5日の研修会でしたが、2日目の開始時間が早く終了時間が長かったので、実質2日間にちかい研修メニューを行うことができました。
沖縄の受講者の方々は皆熱心で、研修を進めやすかったです。やっぱりオンラインよりもリアル研修はいいですね。
当日の準備を受講しながら行ってくれた、兵頭様、そして事前準備をしてくれた前田様、大変お世話になりました。今後もどうぞよろしくお願いします。