担い手支援担当者研修会 第Ⅲ講(福岡)

2019年9月19日~20日の二日間、標記の研修会がJA福岡教育センターで開催され講師を務めました。
主催はJAグループ福岡担い手・営農サポートセンターで、出席者は県内9JA13名、県8か所の普及センターから8名の参加となりました。

【内容】
1.支援マインド
2.農業経営支援の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の全体像
5.事業と生活の計画
6.経営分析のフィードバック
7.総 合 評 価

【アンケート結果】
1.支援マインド
(大変良かった57%、良かった38%、普通5%、いまいち0%、悪かった0%)
2.農業経営支援の実務
(大変良かった71%、良かった24%、普通5%、いまいち0%、悪かった0%)
3.経営分析演習
(大変良かった52%、良かった38%、普通10%、いまいち0%、悪かった0%)
4.農業経営管理支援の全体像
(大変良かった52%、良かった33%、普通10%、いまいち5%、悪かった0%)
5.事業と生活の計画
(大変良かった43%、良かった52%、普通5%、いまいち0%、悪かった0%)
6.経営分析のフィードバック
(大変良かった62%、良かった29%、普通9%、いまいち0%、悪かった0%)
7.総合評価
(大変良かった71%、良かった19%、普通10%、いまいち0%、悪かった0%)

 

 

 

 

【研修内容について】
○2~3年で毎年10名程度面談を実施しているが、「自分に自信がない等」の理由により定着しないため、今後、普及指導センター(場合によっては市も)と協力して農家対応をしていく。
○他のJAと意見を交わせたこと。
○普及指導センターの皆様の視点が、JA職員と違う部分を感じ参考になった。
○1日目の支援事業は、FP的発想が必要だと感じていたが、2日目に言及されたので研修内容的に素晴らしいと感じた。
○専門用語や難しい言葉が少なく分かりやすかった。
○「経営分析」の考え方が大きく変わった。
○とても分かりやすい説明であったので、活用していきたい。
○経営分析をするときの視点、考え方等の具体例をもう少し聞きたかった。もう1日あってもよい内容であった。
○初めての形態の研修であったが、大変勉強になった。日頃携わっている仕事と違うので、他の方と比べて理解できる部分が少なかったと思います。
○経営支援業務をコスト意識や効率性、合理性を分かりやすく理解できた。
○演習により主体的に考えることが出来た。
○経営支援のポイント(担当農家への聞き方)が理解でき、実務を行うJAか普及指導センターと共に参加することが効果的であった。
○経営支援が専門的知識のみならず、農業者の潜在的意欲を自発的に引き出すことが大切であるというところが、大変参考になった。
○経営比較の演習が多く、とても分かりやすかった。
○グループ討議は、実際に経営を数値で読み解く事の難しさや、他の班の考え方等を聞けて良かった。
○ロープレでは、実際に面談を体験できたことはとてもよかった。
○「経営分析」は必ずしも解決策を示す必要はない。」という言葉で、経営分析のハードルが低くなった。
〇GD(グループディスカッション)が多く、頭ではわかっていても実際にやってみると難しい点が多々あるものだと再認識できました。
〇時間はもう少し長くてもよいと思いました。
○仮説に基づく分析結果を対話の呼び水にするという考え方に共感した。
○経営コンサルと経営分析の違いについて理解できた。
○家計に踏み込むことが大切だと思った。
○支援マインドの精神を持って、業務に取り組んでいきたい。
○分析演習は、刺激的な学習ができてよかった。
○講義内容に実践的なデータが提示されていたので、現場を意識して研修ができた。
〇農家に対して仮説としての考え方を伝える。

○今までは、どうしても一方的に数字だけ伝えて経費・人件費を抑えることしか言ってなかったので、農家さんの思いを聞き出す話し方に変えていきたい。
〇演習の時間が良い勉強になりました。実際に演習してみた後に先生のいう事に確かにと、うなずくことしかなかった。

○先生の説明は、分かりやすかったが、もう少し説明を聞きたかった。
〇経営分析、コンサルに対する垣根が低くなりました。

〇これまで経営に関して深く関わったことがなかったので、実際の数値からどういうことを考え、農家と話していけばいいのかなどについてとても勉強になりました。
〇ロールプレイを入れることで講義を聴いたときは解っているつもりでも、いざやってみると難しさに気づき、どうしていけばいいかと、次をまた考えるのでよかったです。
○入組1年目ということもあり、先生の講義、グループワークでの先輩との交流は、学ぶことばかりで、本当に勉強になった。目的論の視点でこれから考えていきます。
○方法論と目的論の話になったところで、アドラー心理学のことを思いだした。研修の最後に「嫌われる勇気」の話になったので、「そうだった!」と改めて感じた。また本を読み返してみたいと思う。
〇話したり考えたりすることが多く、とても有意義な研修でした。ありがとうございました。

○今まで提案しなければという価値観にとらわれていたが、今回、農家の主体性が重要だということが分かった。

 

 

 

 

【各組織の経営支援事業の課題】
〇JAの方針。役員の理解を進めてほしい。
○農業コンサルを普及指導員1人あたり、2人で行う事業があり、経営支援を行わなければならず、チームとして実施するコンサル業務が個人任せになっている。
○コンサルが労力の割に効率も悪く、信頼関係を築く。
○施策を決めた県の上層部も、普及員も経営支援がどうあるべきかという認識が共有されていない。
○専任職員の設置。
○県普及センターとの情報共有(個人情報の取り扱いが難しい)にハードルがある。
○人材不足で、片手間でやるような事業ではない。
○支援事業に取り組もうという意識が低い。
○青色申告会の目的が組合員の申告との認識でしかない。
○支援事業に取り組むとして、人材がいない。いても時間的に無理。
○本取組の理解を勧めてほしい。
○JAの収益改善のためには、収量を増やすことに重点が置かれている。販売高が上がればJA手数料が増える。農薬資材を購入を進める⇒JAの経営方針と合わないのでは?
○記帳の代行依頼をしている若干の農家の経営に関する知識、意識が低い。
〇農業コンサルを普及員一人当たり二人行うという事業があり、経営支援を行わなければならない。チームとして動くべきコンサル事業が個人任せになっている。
〇コンサルが労力のわりに効率も悪く信頼関係を築く前から担当農家のノルマがある。
〇施策を決めた県の上層部も、普及員も経営支援がどうあるべきかという認識が共有されていない。
〇コストや効果を意識した業務設定。
○担当職員の指導力向上
○一方的な提案ではなく農家の意見を引き出すことが重要。
○研修を受け、職員間(縦・横)のつながりが重要であると感じた。
○行動設定に偏りがちである。
○日常、手に入る情報から拾える情報があると思ったため、注意深く聞いていきたい。
○経営分析、フィードバックできる環境・体制が出来ていない。(2月3月に青申が忙しすぎて集中してしまっている)
○日々の通常業務において取り組むことが、時間的、労力的に課題だと感じる。
○JAと県とで連携して農家(組合員)の所得を改善する体制が弱いと感じる。
○技術支援に偏りすぎて、経営の意識が薄い。
○若い指導員が多く、知識不足である。
〇指導員不足とレベルの低い所かな。どうしても金融共済の渉外に力を入れている。
〇支援する側であるが、やはり組合員さんに職員の考えを押し付けるというか、そのような傾向があるから、そこを解決していきたい。
〇一戸に対してコンサルに入るという形をとっているので、他の生産者のデータなどではなく、比較するのが難しい。

 

 

 

 

  
今回で5回目の福岡での研修ですが、ずっと関わっていただいた担当者の方が変わっても継続していただけることに、ただただ感謝です。
今回は普及センターの方が多く出席していただきましたが、JA職員と一緒になってグループワークなどを通じて意見交換をすることは、すごく大きな効果があります。この研修を機会に農家の経営支援の連携もより進むことを願っています。

最後になりましたが、2日間事務局を務めて頂いた、JA福岡中央会の小山様、石井様、大変お世話になりました。