若手農業者経営管理研修会(新潟)

2019年1月28・29日の両日に、佐渡市のJA佐渡金井支店において標記の研修会が開催され、講師を務めさせていただいた。

出席者はJA職員合わせ31名。

【内容】
1.経営の概要
2.経営目的と目標
3.決算書等からの現状を把握する
4.所得と経営目標

【アンケート結果】
1.経営の概要
(大変良かった50.0%、よかった35.7%、普通14.2%、悪い0%、大変悪い0%)
2.経営目的と目標
(大変良かった57.1%、よかった28.5%、普通14.2%、悪い0%、大変悪い0%)
3.決算書等からの現状を把握する
(大変良かった50.0%、よかった21.4%、普通28.5%、悪い0%、大変悪い0%)
4.所得と経営目標
(大変良かった57.1%、よかった35.7%、普通7.1%、悪い0%、大変悪い0%)
5.総合評価
(大変良かった71.4%、よかった28.5%、普通0%、悪い0%、大変悪い0%)

【研修会の内容について】

・これから就農する上で、いろんな角度から経営を考える視点の参考を頂けた。所得ばかりに目が行きがちなところを考えさせていただけた。とても参考になりました。

・二日目の「所得と経営目標」の内容については他の研修会では学べないところであり、理解を深めたい。個々の経営の決算書の数値を入れるワークシートがあるともっと良いと思った。

・専業農家2年目で青色申告も2年目なので、初歩的なところからの勉強がしたい。

・経営目的・目標について考える機会を与えてもらえてよかった。

・決算書の分析については従来から実施しており再確認ができた。

・どこの研修会でもいえることですが、参加者のレベルのばらつきがあり過ぎます。約2日の時間を使って復習では正直きついです。

・リスクや所得について、曖昧なところがあったが、それらのイメージやある程度の目標を持つことで、より具体的な未来のビジョンを持とうと思う。

・頭に入ってきやすく、理解しやすかった。

・自分は農作業だけは小さいころから手伝っていたのでわかるのですが、経営ということが全く分からなかったですが、研修会で自分が知らなかった言葉、決算書等の見方などしれたので良かったです。

・数値だけを見るのではなく、それを日本語に置き換えて理解することが大事なことであると勉強になりました。

・テンションとスピード感がちょうどよかった。

・投資脳(ママ)は気持ちが落ち着いていなかった、自身の描く人生のために、もう一度考えるきっかけになりそうです。ありがとうございました。

・大変よい研修会だったと思うが、時間が足りないと思った。もっと時間をかけて勉強したい。

・「経営」という事の基礎中の基礎。しかし自分自身経営を理解していなかったうえに、正直、市、農協、県の人で指導してくださる方がいなかったので、とても良かったです。(何年かに1度やっていてたまたま今回自分が初めてだったかもしれませんが)何より、難しい言葉を使わず話してくださるのでわかりやすかった。ただ、少し話し方が早く聞きとりいくいと感じました。経営開始してからではなく、準備型の時に必須で受けるべきだと思います。

・内容はとても簡易にわかりやすかった。経営者として当然やるべきことを明確にしてもらえてよかった。今回は若手向けとのことで、浅い中身だったがより深い内容も学びたい。

・利益率や比較しての現状分析が非常に勉強になりました。

・わかりやすい。大切(重点・要点)なところがはっきりしていた。

・分析が大切(しないともったいない)と感じた。

【経営課題】

・これから経営していくので、一つ一つ考えていきたいと思います。

・経営規模の拡大に伴い、売り上げが増えるものの所得は横ばい、また今後雇人費が増える(年間雇用による)ことにより、更なる利益率の低下が見込まれる。

・作物販売高にかかる費用の効率的な運用のしかた。

・農業機械、作業場の増設。従業員の確保と賃金の支払いなど。

・冬の間の収入の確保。

・「個」として(自分が、自分達が)の意識から「佐渡産の産地の生産者として」への意識へどう誘導していくか。

・地域共同作業場。

・人材の雇用育成、機械類の経費をどう抑えるか。販売先をどう見つけるか?

・うちの経営が悪いお手本だということが分かった。

・経営ということを理解せずスタートしたこと、目的、目標がはっきりしていなかった事。今までの就農者は親からの経営移譲が多く、最低限必要な機械は最初から持っていたのではないでしょうか?本当の新規就農者はすべての農機具を一からそろえるので初期投資の額が大きくなってきます。中古に対しての補助等もないので買う=新品はとてもハードルが高いです。また、農協の説明や研修も新規農家が少ないせいか「前回と同じ」で省略され初めての人は分からないまま終わる事も多いのが困っています。

・節税の継続

・目的(経営)の共有の難しさ

・地域の農業を考える。得に水田は目的の共有するところが難しい。

佐渡での研修会は2度目ですが、受講生の幅が広く、内容を物足りないと思う人と丁度良かったという人が極端に分かれる印象があります。
今後も、研修内容に工夫を加え、できるだけ多くの人に満足いってもらえる研修にしていきたいと考えます。

最後になりましたが、事務局を務めて頂いたJAの松井課長ほか皆さま。そして担い手SCの樋口様、2日間大変お世話になりました。

今後ともどうぞよろしくお願いします。