設立初期法人運営管理研修会(新潟)

2019年1月17日に標記の研修会が開催され講師を務めました。この研修会はJAグループ新潟の担い手支援室を中心に主催されたもので、今回で当方が講師を務めるのは4回目となります。

場所は燕三条地場産センターメッセピアで参加者は県内農業法人の構成員農家、JA、地町村、県地域振興局、と事務局を合わせ約120名。おかげさまで会場はやや手狭な状態でした。

【研修内容】
1.法人化と経営
2.農業法人の経営目的と目標の設定
3.決算書と会計から現状を把握する

【アンケート結果】
1.法人化と経営
(大変良かった54.4%、良かった37.8%、普通7.8%、いまいち0%、悪かった0%)
2.農業法人の経営目的と目標の設定
(大変良かった57.8%、良かった35.5%、普通6.7%、いまいち0%、悪かった0%)
3.決算書と会計から現状を把握する
(大変良かった54.4%、良かった41.2%、普通3.3%、いまいち1.1%、悪かった0%)
4.総合評価
(大変良かった58.9%、良かった37.8%、普通3.3%、いまいち0%、悪かった0%)

【研修について】
〈良かったところ〉
・行政の職員は農業に携わっていない職員も多数いる中、農政の担当となり苦慮している状況である。そのような職員にもわかりやすい講義内容であった。講師の話し方がよかった。
・分かりやすかった。実践的でよかった。
・目標と目的の違いがこれほどわかりやすかったことは初めてでたいへん参考になった。
・分かりやすい言い回しで話していただいたので良かった。
・法人になり数年経過していますが、決算書の見方他、現状把握が多少できるようになったと感じる。
・3決算書と会計から現状を把握するの講義がよかった。
・決算書や会計等の見方が勉強になりました。
・経営の楽しさや厳しさがわかりやすく学ぶことができました。自分は経理の方を任されていますが、今回教えていただいた事以外にも自分で勉強していたいと思います。不安もありますが夢をふくらませ頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。
・一番疑問の多い決算書の項目についてとてもわかりやすく理解ができた。これからの法人の予想図が頭の中でできた。
・財務諸表の見方がよくわかった。また今回の講師の研修を聞きたい。
・決算書の読み方がとてもよくわかった。実際の事例問題もあって、発見があった。
・決算書と会計から現状を把握する講義ではわかりやすく勉強になった。難しい言葉等があり理解にとまどった。
・法人化について経営目的と目標は大変よく分かった。決算書関係は見方によって相違があることが参考になった。
・JAからの参加です。財務諸表についても農家が分かりやすく説明されていてよかったと思います。特に決算書の見方が参考になった。
・全体的に分かりやすくてよかったです。設問も程よくあったので頭を使って研修できました。
・設立初期ということで分かりやすく説明をしていただきよかった。
・大変よい研修だと思います。
・実践的で勉強になった。自分の経営に生かしたい。
・資料・説明とも大変わかりやすかった。
・3決算書と会計から現状を把握するの講義が特によかった。
・法人設立したい地域へも説明したい内容があり参考にさせていただきます。(1.法人化と経営について)
・B/S、P/Lの実例をもって研修が行われてよかった。具体例に近いB/S、P/Lで良い例(max)から悪い例(min)まで幅を持たせた資料だとよかった。
・分かりやすく説明いただき参考になった。特に経営ビジョン、目標設定の大切さを認識した。
・従事分量配当の法人に関する理解が深まりました。38ページのプレミアム金の方式は非常に参考になりました。
・大変勉強になりました。自分の勉強不足を痛感しました。
・従事分量配当を知ったことがよかった。
・行政職員ですが、そもそも補助金をもらうことを目的・目標とした生産者が多く、機会があるごとにそれは目的・目標ではなく、それを達成するための手段であると説明してきました。今回のような研修会を機に物事の考え方が変わるとよいと思いました。
・法人化への心構えを再確認できた。安易な法人化ではなく、目的をもった法人化の支援ができるよう更に勉強していきたい。
・根本の考え方から、お話しいただき大変勉強になりました。生産者(農家)は昔からの考えが深く根付いており法人化する際にリセットできる内容だったと思います。
・大変よかった。
・話もわかりやすく非常に楽しく聞かせてもらいました。
・農業に関わって8年目ですが経営等について不安だったので大変勉強になりました。
・決算書の考え方がわかりやすかった。
・決算書の説明がたいへんわかりやすかった。
・法人の決算書の見方を詳しく学べてよかった。国や県の補助金が受けられるから法人化するとか、まずそれが一番先にあげられている法人が多かったが、それでは今後はダメだということをはっきり言っていただいてよかったです。
・経営の考え方が分かりやすく説明していただいたのでとてもよかったです。
・基本的なところについてかみ砕いた説明でわかりやすかった。しかし決算書のところは難しかった。
・研修時間が長いと思ったが、内容も多く、話分かりやすかったため気持よく聞くことができた。
・2,3の研修内容はたいへん勉強になった。
・説明が分かりやすくてよかった。後半早口であまり聞き取れなかったため時間配分を見直したほうがいいと思う。
・法人化と経営についてとても参考になった。
・木下様の話はとても楽しく勉強になりました。
・かみくだいてわかりやすく説明だったので勉強になりました。 
・来年も出席したいと思う。
・決算書の読み方の説明がよかった。わかっていたようでよく理解していなかった。
・今回参加の農業者の年齢構成からすれば前年に比べ、「3決算書と会計から現状を把握する」の厚みを増しファシリテーションスキルを削った点は好感がもてる。

〈悪かったところ〉
・講師の方のくせだと思いますが「まあいいや」が多いです。大切なポイントなのか否かがわかりずらい。

〈 その他感想 〉
・3の決算書の見方について、もう少しゆっくり時間をかけてほしい。
・決算書を見慣れていないため、経営評価の演習が難しいものがあった。決算書の読み方、演習にもう少し時間を割いていただきたいと思いました。
・時間が長時間で先生も大変かと思います。しかし私達も吸収しきれないので2部に分けて開催いただけるとありがたいです。
・決算と会計についてはもう少し時間をとって欲しかった。
・席を組織別に分けたほうがよかったのではないか。P15のキャッチコピーの時に困りました。関係団体では書く事ができなく話し合いが難しい。( 関 農 関 )の席順でどうか。
・演習での時間が不足し質問すらできなかったのが残念でした。

【地域や法人の課題】
・法人間の経営の連携を検討している中、法人と農協との連携も大きな課題となっている。
・「先祖代々の土地」という強固な認識(人に貸したくない)。
・受け手不足。 後継者がいない。
・若手が集落にいる場合、その人に行政(各種役員など)が集中し大変になっている。
・次期役員候補がいない。
・後継者は少しいる。高齢化が急速に進んでいる。
・集落型法人の構成員の高齢化による労働力不足が今後発生してくる。
・水利費の問題。
・自分がまだ若い為、年配の同業者からのいじめが今後の課題です。
・まだ設立はしていないので全体に不安が多い。
・少しずつ教えていただいて習得し不安を解消していきたいです。
・高齢化。
・法人化すると、JAとの関わりが減る事例が多くあります。資材の調達以外にも販売先が商系となりやすいようです。設立後もJAが関わっていくにはどのようにしていったらよいでしょうか?
・役員の高齢化・後継者がいない。
・若手の常時雇用 条件のよい農地の確保。
・近隣生産者との耕作地区のすみ分け。
・後継者不足。
・耕作放棄地の増加。
・離農が多い。
・役員内での仕事が偏ってしまうこと。
・構成員の中に兼業農家がいるので彼らの作業時間の確保。
・アイデア、個別資金力不足、高齢化、若手がサラリーマンで従事人口が不足しており後継者の育成、養成が必要となった。
・高齢化、後継者不足について対策が必要。
・設立時点から依存体質で、JA職員、普及員や外部支援者から丸抱えされた稲作主体の法人では主体的なモノの考え方に乏しくなりゆきで、結果的に規模拡大する例も少なくない。こうした経営体の代表に対する再教 育は身近な支援者では困難な事も多く意識改革の推進、底上げが課題と考える。
・集落営農に向けて若者がいない あきらめている農家が多く全員参加型が難しい。
・法人経営において、目標、目的の設定が重要だということがよく理解できた。 ・適度に演習が入り説明もわかりやすかった。
・わかりやすかったです。
・構成員など関わる人たちの合意形成を図ること、行政機関が話を進めるのではなく地域内でリーダーシップを発揮できる人がまとめてほしいがそういう人がいない。加えて無意識・無関心な人が多く前向きな議論ができ ない。
・変化を望まない人が多い。
・自分で終わると考える人もいるがその後の農地の維持管理については何も考えていない場合が多く、将来的に担い手がいい形で受け継ぐことができていない。
・山間地で効率化が進まない。
・以前、会社になった生産者の対応をした際に社長としての在り方がみえてこない。という相談を受けました。農家→会社になることで考え方・物事の見方が分からなくった方がいました。
・条件不利地への引き受けが多い点。
・地域の高齢化のスピードが早く、全体の法人化がスムーズに進むのか心配。
・農業者同士「我」の強い人が多く協力体制に不安が残る。
・地域に法人化の前例が少なく批判的な声も多い。
・役員にのみ作業が集中。
・山間部であるため圃場整備を計画している。
・若手の確保(高齢化)。
・条件の悪い圃場が多く作業効率が悪い。
・後継者の確保(中山間地) 最後の演習の話はいろいろヒントがありました。ありがとうございました。
・法人の役員交代が引き金となり法人間の人間関係がうまくいかなくなった。
・法人の年齢構成が老若に偏っており中間層がいないため役割分担も難しい。
・人手不足。
・一圃場の面積が小さすぎる。圃場管理が人任せすぎる。(責任感がない)
・地域の問題点ですが、圃場が小さいので手間がかかる。早急に圃場整備が必要だと思う。
・法人はあるが社員が高齢。
・個人→法人の経営が多い。(実質は個人と変わりなし) 面積が少ない集落(約14㏊)なのですが、法人化してもあまりメリットがないのではと皆で話をしているのですが実際はどうした方がいいのでしょうか?
・中山間地農地の受けてが減少しており、その内いなくなる。
・効率が悪いために法人はなかなか受けない。結果として耕作放棄地が増大している。
・農業機械が高い。(価格面)
・中山間地での耕作圃場の場合、①地域の後継者がいない。②用水道路などの管理も受けた法人に負担になっている。③農業地域が壊れている。 ※官民が一緒に考えなければならない。

今までの中で最も多く質問がでて、参加者の熱意を強くに感じた研修会でした。
皆さんの経営に貢献できるよう、今後もさらに研修内容を高めていきたいと思います。

最後になりましたが、事務局を務めて頂いた、農業会議の谷川参事、JAグループの玉木リーダー、石高様、大変お疲れさまでした。

今後もどうぞよろしくお願いします。