農業経営支援実践研修会(静岡)

平成29年6月20日(火)標記の研修会が、県中央会主催で静岡県農業会館で開催された。県内8JAから32名の参加があった。

研修会は10時から17時の1日で行われ、内容は以下の通りとなった。
1.パラダイムシフト
2.経営支援の進め方
3.経営分析演習 (グループワーク)
補講.農業経営管理支援の全体像 

【アンケート結果】
(1) パラダイムシフトについて
(良かった48.4%、少し良かった32.3%、普通12.9%、あまり良くない6.5%、悪い0%)
(2) 農業経営支援の進め方
(良かった45%、少し良かった41.9%、普通12.9%、あまり良くない0%、悪い0%)
(3) 経営分析演習 
(良かった9%、少し良かった51.6%、普通19.4%、あまり良くない0%、悪い0%)

【アンケートの声】
(1)「パラダイムシフトについて」の感想
 ・理論武装の必要がなく、むしろ良くないということで気持ちが楽になった。
 ・生産者のモチベーションと現状の分析がわかっていないと一方通行になってしまうことがわかった。
 ・支援マインド、「経営の主役は農家本人であり、改善のための最善の答えは本人しか持っていない」というのは、目から鱗だった。
 ・確かに「やってあげなきゃ」という思いが強くなりがちだったが、そうでないことがよく分かった。
 ・既存の考え方に固執せずに農家目線で支援していきたいと思う。
 ・横文字で言う必要があるのか?発想の転換で良いのでは?
 ・初めて担当になりましたが、とても勉強になった。
 ・演習もあり、非常に分かりやすく受講させて頂きました。事例のお話しがあり分かりやすかった。
 ・生産者に目標を持たせる、言わせることが重要だとわかった。

(2)「農業経営支援の進め方」の感想
 ・仮説を考えることの重要性を確認できた。
 ・基礎データからの仮説の提供という考えがシンプルで良かった。比較・抽出・細分化・類推・関連付け腑に落ちた。
 ・具体的で分かりやすかった。
 ・仮説を立てる際に他と比べるのは、とても分かりやすいと思う。ただ、生産者さんに「他の人はこうだよ」と説明する際、個人情報に気を付けないといけないと思った。
 ・堅く考えなくて良いと思えた。
 ・経験の中で実務が活かされると思っていた部分もありましたが、今回、手法を分かりやすく教えて頂き少し自信が出た。
 ・こちらから方針を出すのではなく、生産者に考えさせることが大切だと感じた。
 ・組合員への経営支援の進め方、方法等が理解でき良かった。

(3)「経営分析演習」の感想
 ・時間短い。
 ・様々な仮説で色んな見方ができるのだなと思った。
 ・着目すべき数字を知ることができた。担当する作物でも行いたい。
 ・実際にデータを見て勉強になった。
 ・班内でも色々な意見が出て楽しかったし、他グループの発表も様々で楽しかった。
 ・他者と比較することがなかったので、これから参考にしていきたい。
 ・データに基づいた分析をどのように行っていくのか実践でき良かったと思う。
 ・時間が足りなかった。
 ・意見が人それぞれで違った物の見方ができた。
 ・時間配分がイマイチだと思った。
 ・分析する生産者は1人にしてもらった方が発表を聞くときにスムーズに入れる。
 ・時間が足りない。とても難しかった。他グループの想像力がすごすぎた。
 ・データが多くて少し難しかった。基礎ではないと思う。
 ・実務に沿って考えることができた。
 ・誰にこの研修会を受講してもらうのかが当JAの課題。
 ・数字データを見るポイントや考え方を実感することができた。
 ・まったく経営分析をやってこなかったが、なんとなく比較して見ることができた。
 ・意見交換ができて良かった。

(4)今回の研修内容について良かったこと、悪かったこと、その他感想について
 ・今後の生産者との方向性により分析したいと思う。
 ・とてもわかりやすい研修だった。
 ・木下先生は、とてもソフトな思考の方で質問にも気さくに答えてくださりありがたかった。しいて言えば、意見交換等もっとにぎやかな研修会でも良かった気がする。
 ・分かりやすい講義、タイムスケジュールだったと思う。比較データの使用方法、説明がとても役に立った。記帳代行が重要であることがよく分かった。
 ・事前に打ち合わせをしているはずなのに、研修中に事務局のせいにするのはどうかと思う。
 ・時間が短かった。
 ・わりと駆け足だった。
 ・早いうちに1回分析等をやって今回研修で教わったことを身につけたい。
 ・農業指導については経験があったが、今後は経営に着目した支援をしていきたい。
 ・講義中の事務局批判は、受講側として気持ちが良くないので、やめたほうが良い。 
 ・今後の業務において、実践できる内容が多く良かったと思う。
 ・全体的に時間が足りないと感じた。具体的な手法も含めてゆっくり学んでいきたいと感じた。
 ・大変参考になった。課長、係長と相談して当JA事業においても検討したいと思う。
 ・臆することなく経営支援を見られるようになった。
 ・他のJAとグループを組めて良かった。
 ・少し早口だった。
 ・時間がもう少し欲しかった。
 ・講義だけではなく演習が多かったので、分かりやすく身に入れることができた。
 ・演習の時は、やはり役職の方の意見が強い風潮があったと思う。
 ・経営支援について、もっと気楽に考えてよいということが分かってよかった。
 ・分析するうえで重要なことが学べた。
 ・JAの取り組みはこれからが本格的なため今回の研修で受けた内容を活かしていきたい。

(5)経営支援を進めるうえで、自JAの課題だと思われること
 ・経費の部分はなかなか公表できないと思う。
 ・あまり考えすぎず農家の方と取り組んでいきたい。
 ・人事考課において行動目標、訪問軒数150軒/月という数値が定められている。様々な会議や出張がある中でこの目標をクリアするのは中々難しい。パラダイムシフトならば削るべき時間(仕事)を決めなければ新たな仕事はできない。
 ・固定費になってしまっているものをどう上手く使用して利益に変える指導も必要な事だという視点は面白かった。
 ・データ量。
 ・横のつながりが薄く、他部門が持っている情報を組み合わせたら、もっと効果的な支援が出来ると思う。他JAは上手くやっているのか知りたい。
 ・分析後の農家へのフィードバックのやり方。一時だけ農業収支をみているだけの点。
 ・経営分析をする具体的な部署(専門の部署)がない。
 ・現在の自JAの取り組みは旧来の税務支援であるため、研修で出た農業経営支援の記帳代行へなっていかなければならないと思う。
 ・やる気のある農家は何を求めているのか。農家ごと違うと思うので、相手にあわせた提案が必要。
 ・営農指導(作物担当)と経営指導の担当者がリンクしていない。また、会議等も別々なため情報共有もできていない。
 ・組合長、部長の考え方が強く、上の方に今日の研修内容を理解してほしい。
 ・農家に分かりやすく理解させること、そして何より本当にその人のことを思ってできるのかどうか。
 ・JAとして人員が不足している。

〇全体を通しての感想、意見、要望等
・今回の研修会に参加して良かったと思う。
・具体的な説明で大変勉強になった。
・農業経営支援を実践しようと思う。当センターで勉強会が出来たらよいと思う。
・木下さんの講義をまた聞きたい。ありがとうございました。
・ありがとうございました。Web簿記に入会してもらってデータを蓄えたい。
・後半の講義も詳しく勉強できたら良かった。
・講義の内容は良かったが、時間配分や資料のトラブルに、あからさまに講師の方がイライラしていてあまりよろしくないと思った。
・休憩の時間をもう少ししっかりとってほしかった。
・外部講師だから仕方ないのかもしれないが、人前で研修をするのに髭面はどうかと思う。自分の農協だったら、ありえないので。
・非常に分かりやすかった。
・終了時間が遅い。研修が割と当たり前の話だった。

1日の研修会であっという間でしたが、藤田さんをはじめ事務局の方のフォローのおかげで無事終了することができました。ありがとうございました。
今後の静岡の農業経営支援事業のご発展を期待します。