JA福島 営農生活指導員協議会 全体研修会(福島)
平成29年1月24日(火)~25日に会津若松市で、JA福島営農生活指導員協議会と福島県農業協同組合中央会の共催で、表記の研修会が開催されました。
この全体研修会は、JA福島グループ全体の営農指導員および営農担当者、生活指導員および生活担当者、くらしの活動担当者の連絡協調及び相互研鑽等を目的としたもので、70数弱のJA職員と連合会職員が一堂に会して2日間で行われた。
全体のスケジュールは以下の通りであり、当方は1日目午前の講演と、午後の分散会の参加とその総評を受け持たせていただきました。
【当日のスケジュール】
24日
≪講演≫
〇「農家所得向上に向けた農家への経営支援について」(農業経営支援研究所 木下徹)
・農家の所得向上のために必要なこととは?
・農家の主体性を高めるためには
・目的目標の設定と自己効力感を持つには
・JAと農家の信頼関係をいかにしてつくるか
・・・etc
≪事例報告≫
〇「漢方資材栽培米 10年の歩み」(JA夢みなみ 小濃邦彦課長長)
〇「相馬セリ組合の活動と未来」(JAふくしま未来 荒昌司氏)
〇「JAらしさを発揮できる支店づくりと組合員と支店をつなぐ地域支援担当の役割について」(JAふくしま未来 渡邉孝美恵係長)
≪研修報告≫
〇「平成28年度営農生活指導員海外(ニュージーランド)農業事情視察研修」(JA会津よつば 田尻昭博係長)
≪分散会≫
〇「農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化の実践」(グループ討議と発表、総評)
25日
≪講演≫
〇「30年産以降の福島県水田農業の推進方針について」(JA福島中央会 古川明男次長)
≪研究発表≫
〇「組合員の暮らしを支えるパートナーであり続けるために」(JA会津よつば 湯田恵係長)
〇「地域の架け橋になるために」(JA夢みなみ 鈴木郁人課長補佐)
【アンケート結果】
大変良かった(50%)、良かった(50%)、いまいち(0%)、悪かった(0%)
【研修内容について】
・信頼関係の構築について大変良かった。
・信頼関係を作るには、コミュニケーションスキルUPが必要であることが分かった。
・木下氏の話を聞く事が出来た。記帳代行・税務申告データの提案可能な資料、活用方法、マニュアルを今後ご指導いただけそうな感じがした。
・農業経営の支援だけでなく、農家との接し方など基本的な事が大切なことに気づきました。
・木下先生の講演を聞いて、自分で出来ていた事、出来なかった事を理解することができたと思います。今後学んだことを今後の業務に活かしていけるように努力していければと思います。
・単純に販売目標を示す、費用削減を促すだけが経営ではない、ということを改めて考えさせられた。目的を定め、現状分析から目標を立て、その達成手段を導くという手法がとても腑に落ちました。
・生産者との信頼関係を築くために改めて考えていかなければならないと感じた。
・指導員として生産者へ何ができるのか、基本となるあり方を知ることができた。
・木下先生の講話、ご指導が大変よかった。今後ともお仕事に参考にしてゆきたい。
・木下先生の講演は、今後新規生産者や若手農業者にたいしてのアプローチに非常に参考になると感じました。
・経営支援で相手に気づかせる所。職員からではなく経営者(農家)からの改善を促すようにしていく。
・時間が限られていたのが残念でした(短い)。もっと聴きたかった。
・今回初めてこのような研修会に参加させていただきました。農家さんとの信頼関係がいかに大切か改めてじっかんしました。
・木下先生の研修が良かった。最後尻切れ感が残念。
・経営支援については、細かく分析していくと技術や知識だけではなく、根本的には個人の思いが大切であると感じた。経営支援だけではなく、日常の場面すべてに共通することだと感じました。
・木下先生の話をもう少し時間をとって聴きたかった。
・大変よかった。
・目標よりも目的をもつこと、自分がしたいことは何かを改めて見直して発見することが大切だとかが付きました。仕事の中でも活用できそうです。また、相手に対して一方的に話をするのではなく、相手の話を聴き、どうしたいのか、どう変わっていきたいのかを引き出すようなコミュニケーション力を高めていきたいです。
・シナリオ仕立てで解りやすかった。
・相手に求めるばかりではなく、自分からアピール、自分のスキルアップ、自分から変わらなくてはならないんだなあと思いました。
・経営支援においてもコミュニケーションが大切で、そのコツを教えていただいたこと。一番重要なことの一つとして「やる気」に着目して、その引き出し方をご教授いただけたこと。
・コミュニケーションのコツをもっと深く木下先生に学びたいと思いました。
・モチベーション、やる気(自分)をだすにはどうすべきか、是非教わりたい。
・木下先生のお話では、農家の方との信頼関係の大切さ、コミュニケーションの取り方、目標・目的をもって向かっていくことなど分かりやすい話でした。農家の方だけでなく、人との関わりの中でも同じ事なので、すぐに実践し生活の中で意識していきたいと思います。もう少しゆっくりと先生のお話を聴きたかったです。
・ゆっくり話をしてもらえればよかった。内容はとても良かったと思います。
・講演については、あらためて初心に返り、仕事をしていきたいと思った。
・JA職員として、どのような対応をすれば良いのか、ただ解決策を提示すればいいのではないということを勉強させていただきました。
・経営分析の方法、良い点、悪い点を分かりやすく話していただいた。
・農業所得向上に向けた取り組みについて、何をすべきかを再確認し、やる気を引き出すにはどうしたらいいか、農家ばかりでなく、JA職員、自分の子供たちにも言える事があると思いました。
・農家のやる気を出させるため、目標、目的の設定、生産者との信頼関係が必要だと知った。生産者の意思のない経営支援ではダメだと知った。
【JAの農業経営管理支援の課題】
・専門職員の養成、人の配置
・人事異動があっても組合員が困らない組織づくり
・他部署との横のつながり、連携が弱い
・園芸精算システムデータから、経営、栽培提案できる資料出力
・担当職員の知識不足
・旧来農業を営んできた農家の場合、原因論によって農業経営を続けている場合が多いと思われる。世代交代や新規就農などのタイミングであれば、目標設定の支援から入って目的論の考え方に誘導することができれば、その後も経営管理支援で関わることができるのではないかと思う。
・支援対象に対して、JA側の意見に終始しているのが現状の気がする。
・上からむりやりやらされている感が強い。
・今後とも、市役所、商工会等に協力を求めてゆきたい。助成金、資本金の調達について積極的にご相談してゆきたい。
・東日本大震災から原発事故の風評被害。県主要作物の米の販売、良いものを作っても、消費者へ気持ちや価値が届いていない。
・職員の知識、経験がバラバラで同じ目標で話ができない。
・専門知識が必要になるので大きな人事異動がないこと良いです。
・TAC、補助事業の知識のノウハウ。各JAや地区本部単価によって温度差がありすぎる。TAC専門とリンクするべき。
・当JAでは支援部門があり、活動しておりますので良いと思われますが人員の確保などが課題かと思われます。
・営農指導員とTACが兼務であるのが改善が必要だと思います。
・担い手の確保。農業経営の安定化。
・信頼関係を築くことが大事なんだと思いました。
・まだ知識も浅い職員一人一人に、再雇用された方などが付きその人を支援、指導を徹底する。そうすることにより、農業経営管理支援事業を永続的に営めるようになると考えます。若手に惜しみなく技術を伝承していかなければ、団塊の世代が退職したとき、サービスの低下、組織の崩壊につながってしまうと思います。以上から組織体制の更なる整備が経営支援事業を進めるうえでの課題だと考えます。
・コミュニケーションを高める。
・JA上層部の本気度
・担い手を選定をし、経営分析をできるよう信頼関係を築く。
・農家を支援する体制がまず無理。経営までは難しい。
・合併して1年しか経過していないので、職員同士の信頼関係が築けない。支援の前に職員同士の信頼関係を築きなんでも話せるようになった方がいい。
大変盛りだくさんで刺激的な研修会でした。そのような場で貴重な時間を頂き、また役割を頂いたことは大変光栄な事でした。また、JA福島グループの営農指導員の農家への熱い気持ちと、お互いの団結力には深く感心させられた次第です。
営農生活指導委員協議会の新田会長、大高副会長、矢内副会長、中央会の遠藤部長、古川次長、阿部課長、白井様、大変お世話になりました。今後もどうぞよろしくお願いいたします。