農家経営分析診断・コンサル担当者研修会 ー2025前期ー(長崎)

2025年7月16日(水)~18日(金)まで、表記の研修会の講師を務めさせていただきました。
主催はJA長崎県中央会と、長崎県農林部で、場所は長崎県JA会館 7階会議室。
出席者は、県内JA8名、連合会2名、県振興局9名の合計19名となりました。

【研修内容】
1.支援マインド
2.農業経営支援の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の事業戦略
5.事業と生活の計画
6.コミュニケーションスキル
7.経営分析面談と対話の構造

【アンケート結果】

【研修内容について】

・全く関わったことのない分野でしたが、大変興味が持てました。
・「コミュニケーション」も分かっていたつもりでしたが、「スキル」はなかったと気づかされました。
・農家さんとの対話のみならず、いろんな場面で役立ちそうです。ありがとうございました。

・グループワークでいろいろな人と一緒に協力しながら学ぶことができて、とても良い勉強になりました。
・分析をするのも、自分一人の考えだけではなく周りの人の考えを聞きながら演習をすることができて、とても面白かったです。

・支援マインドにおいてついついやりがちな一方的な提案を「経営の主役は農家本人であり、改善のための最善の答えは本人しか持っていない」という原則を学んだことは、これからの経営支援に大きく役立つと思います。また、申告決算書の見方等はより実践的に役立つと感じました。

・経営分析の方法を勉強でき、実際に作業を行って難しさを知ることができました。
コミュニケーションスキルは、いつも会話していることが間違いではなかったと思うことができました。さらに勉強できて有意義でした。

・演習が多く、聞くだけではなく考える時間もあったので良かったです。ただ、コミュニケーションスキルの質問での演習が理解できず難しかったです。

・農家経営分析・コミュニケーションなど、農家のことを考えて耳を傾ける必要があると思いました。先生の研修も聞きやすく、とても勉強になりました。8月もよろしくお願いします。

・経営分析やコミュニケーションスキルについて、難しいところも多かったですが、研修を受けることができて良かったと思います。特に、農家と話すことを想定した演習が今後にも活かせていけると思いました。

・今回、指導員認証を受ける目的で参加しました。参加してみて、講習の内容は自分が普段の業務を行う中で不足しているものだと思いました。
・農家の経営についてだったり、農家の考えていること・したいことを聞きだすコツ、分析して分かること、仮説を立てること、実際に農家から聞きだす難しさなどを学べました。後期もどんなことが学べるか、それをどう生かしていこうか楽しみです。

・演習のフィードバックや考え方について具体的に示していただいたので、学びや気づきが多々ある研修でした。

・項目ごとに演習があったので、理解しやすかったです。一言で表すなら、経営分析を効果的にするのはコミュニケーションだと思いました。

・農家経営支援の指導者の心の持ちようを学べました。

・グループ・ペアワークのタイミングが偏っていると思いました。やってみて経験をしないと分からないことが多いと思いました。自身の実務の場合を考えながら、研修を受けることができて良かったです。

・具体的な例を挙げながらお話しいただいたのでイメージしやすく、自分がどうやって活用していけばいいかもイメージすることができました。

・支援マインドから実際の経営分析(実習含む)、コミュニケーションスキル等の様々な勉強ができ、大変参考になりました。特にコミュニケーションスキルについて、日々の業務の中で会話・コミュニケーションに対する理解が不十分でしたが、研修の中で具体的なスキルを学ぶことができました。しっかり活用したいです。”

・まだ入庁して4か月、本格的に担当業務に就いて2か月ほどですが、今までお会いした農家お一人おひとりの顔を思い浮かべながら学ぶことができました。知識がなくても、演習を通して「分からないなりにやってみるか」と思えました。先生も「知識がなくてもできることはある」とおっしゃっており、経験値や慣れがものを言う分野だなと思いました。
・得意なことを伸ばして苦手なことは視点を変えて前向きに考えてみること、できることをやること、仕事をする・学びを得るうえでも大切なことを改めて実感できました。

・経営分析というと言葉から難しいイメージを持ってしまっていたが、農家と対話しながら課題を聞きだして自ら行動できるよう促すことが大切だということが理解できました。
・経営の現状把握を行う際、どの数値データを拾って因果関係を考えるのか、そしてどのように農家に提示するのかを演習を通して学ぶことができて良かったです。

・「経営分析診断=専門技術であり、知らない自分はできない」という思い込みを取り払うことができた点が良かったです。
・経営分析診断にしても普及業務にしても、農家との対話や思いの聞き取りが大事であることを再確認できました。

・申告書の見るべき点やデータの取捨選択について分かりやすく説明してもらえて良かったです。
・農家から情報を引き出す対話方法や農家自身に解決策を考えてもらえるように話すことが重要であると学ぶことができました。
・架空の農家ではなく実際の農家の経営データを用いて経営分析演習ができたので、現場で実践する際に非常に役立つ内容でした。

【農家の経営上の課題】

・これからどうしていきたいのか、目的があやふやというか具体的な目標を立てるのを難しく考えていそうな生産地の方がたまにいる。

・雇用する人材が確保しづらい(作業人数が足りているところもあるが)。

・どれだけ経費がかかっているか、他の人に比べてどうか、が分かっていない方が多い。

・経営が「どんぶり勘定」的なところがあり、収入支出の確認が必要。

・農家に事業主であるという自覚をもってもらうこと。

・経営の気づきをもってもらうこと。

・固定概念に捉われている農家が過去の実績をもとに話しており、そのような人こそいろいろな問題を抱えている傾向がある。話をしていても、過去のことを言われてそれで終了ということが多。

・後継者不足は農家を続けるうえで最大の問題。

・気候が地球温暖化の影響で高温化してきて、作物の生育に大きな支障をきたしている(そのため、露地栽培は非常に難しくなってきている)。

・農家経営において融資を受けることは大事なことだと思うが、農作物の販売と密接な関係があると思うため、経営不振農家の決算書はしっかり見るようにする。

・経営がうまくいっているのかいないのか判断の仕方が分からないという農家が多い。

・農家としての経営がうまくいっても、家計の出費が重なったり、予定外のことがおこったときに、しっかりした事業計画ができていないと、金銭面でとても苦労するのではないかと心配。

・経営悪化の自覚がない方も少なくない。

・長年、農業一筋でやってきた方は、なかなか聞く耳を持たない。

・ある程度のところで満足している。

・後継者を本気で作ろうとしていない。

・自身の経営実態を把握していない農家もいる。

・後継者がいない(息子の定年退職と親の農業引退のタイミングが合わない)。

・第三者継承を行う際、継承する人が見つからない。

・経営が悪いと労働意欲も下がり、さらに生産性も下がるという悪循環が多い。

・現状把握と経営上の強み弱みを知ること。

・資材高騰。

・優良農地不足。

・資材、重油代の高騰で所得率が下がっている。

・将来の目標を明確に持っている人が少ない。

・ベテランになればなるほど、自分の感覚に頼ってしまう傾向がある。

・例え税理士に委託しているとしても、財務管理はしっかりと自身で行って、経営改善につなげられるようになってほしい。

・そもそも農家本人が把握していなければ、私たちが支援することは難しいと感じる機会が多い。

・考えることを諦めてしまっている方もおり、アプローチできない。

・コストの意識、中長期の資金繰りへの意識が低い(畜産について、設備投資がオーバースペック、飼料確保の効率が悪い)。

・新規就農者で、資材にお金をかけるが技術力が低いことが本当の問題で改善効果が低い。

・担い手、労働力の減少。

・休日なしがあたりまえなところ(自営業で生き物を相手にする仕事なので仕方ないが、長く続けられる体制を考えなければいけない)。

・新規担い手(その地域で営農し続ける人)が増えない。

・確定申告等の実績をあまり振り返ることがない。

・ライフプラン等の将来を見据えている人が少ない。

・経営改善などに拒否反応、消極的な農家が多い。

【組織の課題】

・経営支援をできる人材がどのくらいいるのか

・実際どのように行っているのか共有出来ていない。

・記帳代行や経営分析業務を行っているが、経営コンサルまではできていない。

・記帳代行業務の属人化や、他の部署から何をしているのか分からないと思われており、JA内での連携をもっと強めていく必要がある。

・営農指導員の人数不足(果樹、野菜ともに)

・農家の高齢化と後継者不足

・異常気象と叫ばれているが、今からはこれが普通となってくるため、それに対する指導員の技術アップが必要。

・作業量と活動人数が合っていない

・人手不足”

・窓口担当が異動により変わるのは仕方ないが、一から人間関係を作るストレスを少しは役員や上司に分かってほしい。

・一部の農家しか相手にしない

・各JA内でも経営支援に関する研修があってもいい

・記帳代行のオペレーター数が少ない

・年度末前に代行の仕事が集中している

・経営分析についてできる人数が少ない

・もっと関係団体と密に関わり合うこと

・経営診断的なこともやっていいのではないか

・関係機関にも実態が届くといいなと思う。米農家の人数等。

・お金に関することなど農家の深部に触れるため軽々しくできない

・確定申告の費目の分け方など個人によるものが多いため難しい

・1名の担当者あたりの支援者数が多すぎる

・生産者の高齢化による生産者の減少とそれに伴う生産活動以外(草刈りや農道整備等)の時間の増加

・経営指導の際に経営担当と技術担当の連携をより密にとる必要がある

・農業経営分野を担当している私でさえも、経営支援だけを業務としているわけではないため、他の業務との兼ね合いが難しく、農家の意思を反映させることが疎かになりがち

・関係機関との連携もうまくいっているとは言えない

・農家が頼りやすい市町や農協支店の職員とも連絡を取り、農家本人が把握していないデータを有効活用できればと考える事が多々ある。

・私が担当している品目では、経営分析をJAのみで行っている(または全く行っていない)状況なので、ぜひ実施したい。

・経営分析という点では関係機関(JA、市、県)の連携がまだまだ足りていないと思うので、まずはこの研修の情報共有を行うところから働きかけを行っていきたい。

・浅く広くの経営支援。

・1,000万以上および1,000万予備軍となっている経営体への集中支援。

・振興局内での横のつながりが足りないと感じた。

ー以上ー

今回は、受講者数が多い方ではありませんでしたが、アンケート結果を読むと研修内容をよく吸収し、また現状の課題をよく考えているように思えました。後期の研修もたのしみです。
私は長崎での研修会は10年を越えますが、毎回すべてを出して望むので疲れが激しいです(笑)。
それでも、今回も無事終えられたのは、準備や進行をしっかりやってくれる事務局のおかげだと思っています。
それでは、長崎中央会の、濱口様、吉田様、後期もどうぞよろしくお願いいたします。