農家経営分析診断・コンサル担当者研修会-2021前期-(長崎)

2021年6月30日~7月2日3日間、表記の研修会がJA長崎中央会と長崎県農林部共催で開催され、今年も講師を務めさせて頂きました。
場所は長崎県のJA会館7F。参加者は県内JAグループ21名、県振興局7名となりました。(コロナの影響で予定人数から数名減りました)

【内容】
1.支援マインド
2.農業経営支援の実務
3.経営分析演習
4.農業経営管理支援の全体像
5.事業と生活の計画
6.コミュニケーションスキル
7.経営分析のフィードバック

【アンケート結果】
1.支援マインド
(大変良かった:57.1%、良かった:42.9%、普通:0%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
2.農業経営支援の実務
(大変良かった:64.3%、良かった:32.1%、普通:3.6%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
3.経営分析演習
(大変良かった:60.7%、良かった:32.1%、普通:7.1%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
4.農業経営管理支援の全体像
(大変良かった:50.0%、良かった:42.9%、普通:7.1%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
5.事業と生活の計画
(大変良かった:64.3%、良かった32.1%、普通:3.6%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
6.コミュニケーションスキル
(大変良かった:82.1%、良かった:14.3%、普通:3.6%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
7.経営分析のフィードバック
(大変良かった:60.7%、良かった:32.1%、普通:7.1%、悪い:0%、非常に悪い:0%)
8.総合評価
(大変良かった:58.3%、良かった:41.7%、普通:0%、悪い:0%、非常に悪い:0%)

 

 

 

 

 

【研修の内容について】
・普段、考えないことを考えると面白いなと感じた。
→「勉強なりました」より「面白かった」と言われる方がうれしいです。
・全体的には良かったが、経営診断やいちご等の関連業務にふれることがなかったため、分からない点もあった。話すスピードがやや速かった。
→スピードの速いところは重要でないところです多分(笑)
・今回の研修を受けて農家に対して何をすべきなのか分かった。
・スクリーン周辺が明るかったので、レーザーポインターが見えなかった。
→次回は事務局の方にうまく対応してもらおうと思います。
・経営の弱点を指摘して提案することが経営分析と思っていた。
→私も昔はそう思っていました。
・課題や対策は農家自身が持ち、気づき、実施、フィードバックが本当の経営診断であり、効果的であることがよくわかった。
・専門的知識を多く覚えないといけない印象でしたが、効果的な診断をするためにはコミュニケーション力が大部分を占めていることがよくわかった。
・コミュニケーションで必要なことをたくさん学びましたが、習ったことを全て自分のものに身につけるのは難しく今後も訓練が必要だと思う。
→はい、日ごろの訓練が大事です。
・今まで農産物の値段や圃場の状態など農産物のことについてしか農家と話していなかった。これからは本人にも興味を持ち、長く話せるようになれればと思う。→”人への関心”が基本中の基本。
・コミュニケーションが不可欠だとよくわかった。
・コミュニケーションが苦手なので勉強になった。
→私は今でも苦手です(笑)
・演習が所々にあって、その都度復習ができたので理解しやすかった。2人1組や班での意見交換もできて、自分にはない考え方、環境があるのだと感じた。分析演習とフィードバック演習は実際にしてみるときちんと見方や伝え方が分からないと難しいと思った。
・すべて良かったし、再確認できた部分もあった。特に今まで深く経営分析したことがなかったので、今後のために役立てられると思った。コミュニケーションスキルについても今回の研修でここまで頭を使って話をすることがなかったので、あらためて農家のために話をするのは難しいことだと思ったし、大事なことだと痛感した。
→今まで使わなかった”脳筋”を鍛えてください
・コミュニケーションスキルについては、普段意識して会話をしていないため、返し1つにしても考えて返さないといけないと思った。普段の生活から変えてみようと思う。
・経営分析について苦手意識がなくなった。早く農家と話したくなった。
→この感覚、うれしいっス。
・研修の内容はかなりわかりやすくおもしろいと感じた。経営分析・コンサルと難しいと構えていたが、段階的に例を使いながら教わったので理解できた。
→わざわざ難しく教える人がいるので要注意です。
・支援マインドについては、初年次研修で一度話を聞いて分かっているはずの内容だったが、実際は実行できていないことが多いなと気づかされよかった。また、ロールプレイでは、実践の難しさを実感でき、話の持っていき方等経験を積みたいと思った。
・非常に有意義な講義で一番印象に残っているのが農家の気持ちになって話していくということが大切だと思う。一方的に自分の意見をいうのではなく、農家の意見を尊重しながら経営分析をしていかないといけないと思った。
・入組2年目ということもあり、何も分からず研修が始まったが、農家さんの気持ちを考えるところから始まり、経営分析など今後の業務に活かすことができる研修でとても勉強になった。
・今後の業務に役立つ内容が盛りだくさんで非常に参考になった。関係各所との人脈も広がりとてもよかった。
→毎日班を変えるのも”人脈作り”に役立てたらという思いがあるからなので、良かったです。
・対人の演習が多く、他の受講生の意見・考え方にも触れることができて参考になった。日々の会話の中で「傾聴」を意識して会話を実践したい。
→傾聴マジ大事です。
・本来の営農指導で行うべき内容が理解できた。現実的には、経営まで踏み込んだ指導が行えていない。講習内容の検討と協議(デベート)は必要だが、ロープレは必要と感じなかった。
→ロープレは役になりきらんとやりにくいですね。
・悪かったところは特になし。日常経営分析することがなかったので、良かった。農家さんと話しする上で、一方的に話すばかりだったので、初歩的なことですが、わかることができた。
・支援者として信頼関係を築く、相手が考える話し方、コーチングスキル等参考になった。
・農家経営に対することがよくわかった。しゃべり方が今後かわってくると思った。最初にコミュニケーションスキルを行って、経営分析を行った方がよいと思った。
・日々の業務に実践できるノウハウ等を知れてためになった。グループワーク等のバランスもとてもよかった。
・時間が限られた中でほぼすべてのテキストの内容を説明されているのが良かった。
・指導員であるために必要なことを学べた。スライドの文字が小さく見づらかった。
→会場の広さとスクリーンの大きさが合っていないとは、昔から思っていました。
・今までの業務で農家さんと会話することはあったが、相手への関心が足りていなかったため、どう考えて経営をしているのかを把握できていなかったことに気づくことができたのは良かったと思う。
・通常業務でも活用できる内容でよかった。
→さすが!応用して役立ててください。
・今回の研修では、普段の業務の中では気づけないところや意識していなかったところを知ることができたので、勉強になった。特に農家さんの意識や意思を確認してそれに沿って提案するという話を聞いて、自分の中では抜けていた部分だったのでとても参考になった。
→いいですね。”提案する”を”引き出す”に替えるともっといいです。
・研修の中で「こういう考え方、やり方はよくないです」と言われたことを今までを振り返ると自分はやってしまっていたと実感した。自分の知識を基に農家へこうしてください。というのではなく、農家の意向も聞き入れたうえで指導方針を個別に来て対応しなければいけないと学べた。
→よくない考え方ややり方の多くは、昔私がやっていたことです。
・実践的な内容を教えてもらい、演習を多くこなすことができたのでおもしろかったし、飽きなかった。出荷データや青色申告書の膨大なデータもグループで読み解けば初めてでも読むことができた。先生の熱意を感じる。
→押さえていたつもりが出てしまいましたかね、熱意。(笑)

 

【農家の経営上の課題は】
・農家それぞれの課題がありすぎる。
・不要な資材の購入がある。後継者不足。環境汚染(整備)※悪環境は成績悪化にもつながるため。
・上昇志向が薄い、現状維持で満足している農家さんが多いように感じる。
→まずは将来を具体的に考えてもらうだけでよいと思います。
・反収や売上に目がいって、利益を意識していることが少なく感じる。途中経過の自分の成績や利益等を気にしている人が少ない。この時期にこれくらいと企画もたてていない。
・単価などの話が多く、経営についての話は聞いたことがない。もう少し頼ってもらってもよいのかなと思う。
→聞かれて初めて考えることも多くあると思います。
・年上の農家さんが、長期計画を持っている人が少ない。肥料をいろんな種類を入れすぎる所がある。(農薬も)
・補助金(いつ入金されるか未定)ありきでの資材購入
→最近起きたことですかね。
・不安が大きい。これから経営面積を増やしたいけど増やして経費が増えることで収入が減ってしまうか不安。共有や相談相手がいなかったりする。
→そうそう、実は相談相手がいないんですよ。
・全体的な数字の把握ができてないため改善点がはっきりしない。
→つまり現状把握ができてないんですよね。
・いくら利益が残るか分かっていない。
・農業経営者のほとんどが自分の経営の現状を理解しておらず、振り返りをする機会が少ない。利益を上げようではなく現状維持が多いとお聞きしたので意識の改革が大事だと思う。
→振り返る機会だけでも効果あると思います。
・気候にどうしても左右されるので、そのことも含めて農家の経営を考えないといけない。
・農家さん自体のやる気やマインドの部分を盛り上げる必要があると思う。職員として農家さんの気持ちを考えていけるようにしたい。
・コスト意識をあまり持っていないことだと思う。自身の経営に対する興味、関心。
・資金繰りを十分計画できている農家さんは少ない。特に機械や施設導入など慎重になる必要がある。
→これは補助事業や融資を勧める方にも問題があったりもします。
・個々の農家に差がある。農家の向上意欲を引き出すコミュニケーション能力が必要。農家教育が必要。
・毎年販売高に変動されるので、それに伴った支援態勢の確保。
・経営成果を数字で捉えている人とそうでない人がいる。その結果を生み出した要因等も把握することで次の改善につなげたい。
・新規就農者に対する支援をもっと充実するようにしてもらいたい。なかなか数少ない新規就農者なので支援をする。
・実態をきちんと把握できていないことかと思う。
・何が問題かを本人もわかっていない。具体的な目標があるのか。
・収支が把握できていない方がいる。職員もだが生産者も数字に強くなる必要があると感じた。
・経営がうまくふるわない方は、生産するにあたって長年指摘されていることを軽く考えてしまっているか、素直に受け取れないため他に理由を求めてしまっていることも課題。
→これって農家だけでなく、多くの人に当てはまるんですよね。
・経費の計算が大雑把。単年度の経営が主軸で複数年の経営を考えている人が少ない。
・将来の10から20年後等の長期間の計画を立てて仕事を行っている方が少ないこと。現在うまくいっていても将来的に年齢等によりきびしくなる場合もあると思う。
・先を見据えて備えること(建物の老朽化、備品の老朽化に備えて設備投資をする)。現状の経営状況を把握すること、ブランドを取り扱っているという認識・責任。
・民間企業はコンサルや株主のチェックが入るので改善できるが、農家はチェックされないことが多い。

【JAおよび団体の課題】
・人材不足
→それを言ったらおしまいです。
・巡回を増やす。(信頼を築く) 答えをただ伝えるのではなく、農家に考えてもらう。圧迫感・嫌悪感を持たせない。
→いいね!
・土地的な問題だが、農家さんが広範囲にちらばっているのでJAから出向くのも農家さんが出向くのも難しくなっている。
→長崎は離島があるから大変だ。
・個別面談は実施しているが、事前に申告書に目を通すことがなかったり、担当の目ぞろえがなかったりまだまだ質を上げるための手段はあると思った。
→はいはい、伸びしろはまだまだありますよ。
・営農指導員の数が少なく、横の連携も少し弱いように感じる。地区を超えた連携を強めたほうが良いと思う。
・人がいなすぎる。経営支援への理解不足。
→どうやったら組織内で理解を促進できますかね。
・異動による十分な引き継ぎ不足。
→JAグループの病根の一つ。普段から記録をつけ文書で仕事をする癖をつけるべきなんですよ。引継ぎはそれを残しておけばほぼOK。
・各担当のスキルアップ。情報の共有。
→本当のスキルは実務を通してでしか上がりません。
・農家の経営状況をいかに把握するか確立されていない。申告書の入手が難しい。
→だから記帳代行。
・時間がないという理由で分析を細かくできない。
→予習はそんなに細かくしなくても「30分で解る範囲」でいいんじゃないですか。
・上司が恐いから言わないといけない意見を言わず、変化をしないのではなく、改善しないといけないことをしっかり言えることができる環境作り。
→大事大事。
・情報共有の徹底に欠ける。
・経営支援を行った先に何を求めるかという共通認識での目標が不明確。
→これ後期で少し触れます。
・経営分析のノウハウを持った職員が少ない。どうしたら経営が悪くならないかということが支援の目的になっている。農家に目的・目標を考えさせるような進め方が必要。
→この研修も、もう9年やってますから、それなりに解っている職員は内部にいるはずでは?
・記帳代行や青色申告会等支援部署はあるが、情報共有ができていない。職員のスキル不足。JAに教育する余裕がない。
・職員一人一人が意識改革を図り、組合員の話をしっかり聞くこと。
・コーチングよりティーチングになりがちなところ。
→なりがちなりがち。
・ビッグデータの活用がなされているのか。職員の質。支援をする必要性、やる気。
・トップダウン体制
→まちがったトップダウンが来るリスクも考えたほうが・・。
・経営診断等をやることはあるがするだけで終わってしまい、指導事業等農家さんに対してフォローがされていないこと。
→フォロー大事。
・人員不足。
→そう断じる前に、当面やることを具体的に見積もるのが先でしょう。何をやるかが決まっていないのに不足も何もないのです。
・目に見える割引等のJAだとお得だということを農家へ知らせる対応をするべき。現在は漠然と戻金があるからトータルお得という対応をしている。JAで恩恵を受けているという農家の実感がない。
→恩ぎせがましくするわけじゃないけど、ここら辺はJAもうまくないところですよね。見せ方大事。
・中央会、JA、振興局で農家の個別経営面談をしているが、役割分担があやふやだったり、経営についての知識がないのを補おうとして栽培技術の提案をしてしまっている事例がある。
→ありそうですね。いろいろな問題が垣間見れます。

 

今回は、事務局も一新され慣れないところも多々あったかと思いますが、無事3日終えることができました。
後期もどうぞよろしくお願いします。